2026年最初の年金支給日は2月13日の予定です。年金は2ヵ月に1回のタイミングで、2ヵ月分がまとめて支給されます。

世帯の構成や状況によっては、追加で年金が支給される場合があります。代表的なのは「加給年金」です。加給年金を受け取れる場合、月額いくら受給できるのでしょうか。また、どのような場合に受け取れるのでしょうか。

この記事では、加給年金の受給について解説します。

1. 加給年金、月額いくら受けとれる?

加給年金とは、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が65歳になり、その人に生計を維持されている配偶者や子どもがいる場合、老齢厚生年金に上乗せして支給される年金です。金額は、通常の年金と同じように物価や賃金の変動にあわせて改定されます。

加給年金の受給額は、以下のとおりです。

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加給年金の受給額について

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

配偶者加給年金の特別加算額2/3

配偶者加給年金の特別加算額

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

基本額

  • 配偶者:23万9300円
  • 1人目・2人目の子:各23万9300円
  • 3人目以降の子:各7万9800円

特別加算額

  • 昭和9年4月2日から昭和15年4月1日:3万5400円(合計27万4700円)
  • 昭和15年4月2日から昭和16年4月1日:7万600円(合計30万9900円)
  • 昭和16年4月2日から昭和17年4月1日:10万6000円(合計34万5300円)
  • 昭和17年4月2日から昭和18年4月1日:14万1200円(合計38万500円)
  • 昭和18年4月2日以後:17万6600円(合計41万5900円)

加算額を含めて、月あたりで最大3万5000円が追加で受け取れる形です。世帯としては「自身の厚生年金+基礎年金」「配偶者の基礎年金」に加え「自身の加給年金」が支給されるため、生活に多少ゆとりが生まれる可能性があります。支給停止の条件に該当するまでは毎年受け取れるため、安心して老後生活を迎えられるでしょう。

次章では、加給年金が受給できる条件について解説します。

2. 加給年金が受けとれる条件

加給年金を受給するための要件は、以下のとおりです。

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加給年金を受け取れる条件

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」をもとに筆者作成

  • 自身が65歳以上であること
  • 自身が厚生年金保険に20年以上加入しており、老齢厚生年金を受給していること
  • 配偶者や子どもが自身に生計を維持されていること

まずは、自身が65歳以上であることが条件です。基本的には夫が年上の世帯であれば受給できる可能性は高いでしょう。一方、妻が年上の世帯は、妻が生計を維持していない限り、加給年金は受け取れません。

次に、自身が厚生年金保険に20年間加入しており、65歳から受け取れる老齢厚生年金を受給している必要があります。(※)途中で個人事業主になるなど、厚生年金保険への加入期間が20年に満たない人は、加給年金を受け取れません。

そして、配偶者や子どもが生計を維持されている必要があります。生計維持の要件は、同居している場合に加え、仕送りをしている事実などがあれば別居していても認められるケースがあります。また、法律で認められている婚姻だけではなく、事実婚関係にあるパートナーも支給対象です。ただし、自身の前年の年収が850万円未満(所得655万5000円未満)でなければなりません。

これらの条件をすべて満たせば、加給年金の支給対象になります。

しかし、特定の条件に該当する場合は、加給年金の支給が停止されます。次章では、加給年金が支給停止となる条件を解説します。

(※)共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が40歳(女性と坑内員・船員は35歳)以降15年から19年

3. 加給年金が支給停止される条件

加給年金は、特定の条件に該当すると支給停止となります。主な要件は以下の2つです。

  • 配偶者に老齢厚生年金の受給権がある場合
  • 自身が年金の繰下げ受給を選択した場合

配偶者が老齢厚生年金の受給権を得た時点で、加給年金は停止されます。互いに基礎年金と厚生年金を受け取っており、老後生活に必要な収入が得られていると判断されるためです。たとえ老齢厚生年金を受給していなくても、受給する権利がある時点で支給はストップします。

また、自身が年金を繰下げ受給する場合も、一時的に支給停止となります。加給年金はあくまで老齢厚生年金に上乗せする年金です。老齢厚生年金を受給していない人には、支給されません。加給年金自体は繰下げの対象外で、受給期間を遅らせても金額は増えません。

上記の条件に該当する場合は、加給年金の支給は終了します。しかし、代わりに支給される年金を受け取れる可能性もあります。次章で見ていきましょう。

4. 配偶者が65歳になったら

配偶者が65歳になった場合は、加給年金の代わりに「振替加算」という上乗せが受け取れます。振替加算は、配偶者が65歳になったときに、配偶者の老齢基礎年金に上乗せされるものです。金額は以下のとおりです。

  • 昭和61年4月1日に59歳以上(大正15年4月2日から昭和2年4月1日生まれ)の人:23万8600円
    ※以降、生年月日によって一定の割合で減額
  • 昭和61年4月1日に20歳未満(昭和41年4月2日以後生まれ)の人:0円

最大で月額1万9000円ほどが追加で支給されますが、加給年金よりはやや金額が低く、特別加算もありません。夫婦それぞれ65歳になったときに生活に困らないよう、家計を最適化したりあらかじめ備えを用意しておくのが重要です。

5. まとめ

65歳の夫と年下の妻の世帯であれば、妻が65歳になるまで加給年金が受け取れます。妻が65歳になると、加給年金は打ち切られ、妻に振替加算が支給されます。

加給年金は厚生年金保険に20年以上加入する、生計を維持しているといった諸条件を満たして、初めて支給されるものです。受給や支給停止の条件をよく確かめ、有効に活用しましょう。

参考資料

石上 ユウキ