6. 「個人向け国債」や「定期預金」以外のものに目を向けたいケースも
個人向け国債や定期預金の特徴は、安全性の高さや金利によるメリットが得られることです。
しかしなかには、ほかの金融商品に目を向けたいケースもあるでしょう。
6.1 物価上昇(インフレ)リスクに対応したい場合
投資判断の1つとなるのは、「実質的な資産価値の維持」です。
インフレ下では、個人向け国債の利息収入(名目上の利回り)だけでは、物価の上昇に追くことが難しいケースもあります。
リスクレベルは高くなりますが、より高いリターンやインフレ連動の仕組みを持つ他の金融商品(たとえば、株式・投資信託・不動産など)の方が、実質的な資産価値を維持しやすい可能性が考えられます。
6.2 高いリターンを狙いたい場合
判断軸となるのは「機会損失リスクの許容度」です。
安全性が高いとされる「個人向け国債」や定期預金は、利回りが低水準に抑えられがちです。
資金を個人向け国債や定期預金に固定することで、高金利の個人向け社債、高配当株など、より高い利回りを提供している他の商品へ投資する機会を逃すリスク(=機会損失)が考えられます。
7. まとめ
本記事では、2月4日に発表された個人向け国債の「2026年2月募集分の最新条件」について解説しました。
また、個人向け国債の仕組みや、適用利率の推移についてもご紹介しました。
個人向け国債は、国が元本と利息の支払いを保証しており、信用度が高い運用先として位置づけられているのが特徴です。
しかし、利回りによっては日本の物価上昇率より低く、個人向け国債のみではインフレ対策にならない可能性もあります。
家計の状況を踏まえたうえで、物価高に負けない資産形成を目指すことも大切です。
ただし、より高い利回りを求めると相対的にリスクも高まります。
保有している資産全体のバランスを考えたうえで、資産形成に向けた選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
執筆者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員
秋田県秋田市出身。宇都宮大学教育学部卒業後、株式会社栃木銀行に入行。主に個人リテール業務へ従事。若年層から富裕層まで幅広い世代へ投資信託・保険を中心に総合的なライフプランニングを行ってきた。リテール営業行員内で上位の成績を保ち、全行員内1位の成績を収める。また、社内教育にも尽力し、人材育成にも携わる。
現在は金融IT企業で個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。(2024年4月15日更新)
監修者
LIMO編集部銀行出身者チームは株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、メガバンクや地方銀行などの大手金融機関にて、資産運用相談や融資業務の経験を積んだ「元銀行員」の編集者が中心となり構成されている、金融専門のライティングチームです。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍しています。
LIMO編集部銀行出身者チームには株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)出身の石津大希など、資産運用アドバイザーとしての実務経験を有する編集者が在籍しており、各編集者がファイナンシャル・プランナー(FP)として、シニア層から富裕層まで幅広い層の相談に対応してきた点が強みです。
金融機関での勤務経験年数はチーム合計で20年超。表彰歴を持つ編集者も多数在籍しています。国税庁や金融庁など官公庁の公開情報をもとに、豊富な経験と知識を有するプロフェッショナル集団が、読者に正確で実践的な情報をお届けします。
【主な取り扱いテーマ】厚生労働省管轄の厚生年金保険と国民年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、資産運用、NISA、iDeCo、住宅ローン、カードローン、為替相場、株式投資などを中心に記事の企画・執筆・編集・監修を行っています。(最新更新日:2026年1月9日)