新年を迎え、厳しい寒さが続く2026年1月。家計を預かる身として気になるのが「これからの生活費」ではないでしょうか。先週、政府から発表された最新統計により、令和8年度の年金額が決定しました。4年連続の増額改定となり、国民年金はついに7万円台に到達しますが、果たして私たちの生活は本当に楽になるのでしょうか?
今回は、最新の調査結果をもとに、働き方で変わる年金受給額のリアルと、避けて通れない「物価と年金」の関係について解説します。
1. 先週発表!2026年度の年金額例「国民年金は満額7万円到達」対前年度プラス1300円!
厚生労働省によると、2026年度の年金額の例は次のとおり決定されました。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):7万608円(1人分※1)
- 厚生年金:23万7279円(夫婦2人分※)
※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額7万408円(対前年度比+1300円)です。このように年齢により受給額が異なります。
※2男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
厚生年金の23万7279円は、夫婦の合計額です。
上記の注釈があるとおり、「40年間会社員として月額45万5000円を稼いだ夫の厚生年金と国民年金」と「40年間第3号被保険者(もしくは自営業など)だった妻の国民年金」が想定されています。現代では共働き世帯や単身世帯、自営業の方などライフスタイルは多岐にわたります。この金額はあくまで一つの指標であり、実際の受給額はこれまでの加入状況によって一人ひとり大きく異なる点に留意が必要です。
ちなみに、2025年度(令和7年度)は23万2784円でした。今回で4年度連続のプラス改定となります。また国民年金の満額は、2025年度が6万9308円であり今回も増額しています。年金額が増額されるとなると、年金を実際に受給される方にとっては嬉しいものでしょう。しかし、実際には年金額が目減りしている側面もあるのです。次章でその理由について解説します。
2. 厚生年金、「平均年収約610万円」約40年間働いた男性《年金額の概算》を見る
厚生労働省では2026年度(令和8年度)年金額の例に加え、さらに「多様なライフコースに応じた年金額(概算)」も発表しています。これは個人ごとの公的年金加入履歴をもとに、65歳時点で受け取る年金額の平均や分布を将来推計したものです。
厚生年金を中心に長く働いた人ほど年金額は高く、国民年金のみの場合は月額6万円前後にとどまる傾向が見られます。
また、同じ制度でも男女や就業期間の違いによって、受給額には大きな差が生じています。
2026年度(令和8年度)は全体として増額改定となっていますが、ライフコースによる差が引き続き大きい点が特徴です。
2.1 厚生年金期間が中心の男性について
厚生年金の加入期間が約40年間「平均年収約610万円」で働く男性の場合、2026年度の年金額は月額17万6793円と見込まれています。この金額には、基礎年金約7万円に加え、現役時代の収入に応じた厚生年金部分が上乗せされています。平均的に約40年近く厚生年金に加入してきた層であり、公的年金の中では比較的安定した受給水準といえるでしょう。
3. 国民年金・厚生年金、60歳~90歳以上「今受給中の人」平均はいくら?
厚生労働省が2025年12月公表の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、60歳~90歳以上のすべての受給権者における「平均年金月額」と「受給額分布」についても見ていきます。
3.1 国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額
- 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
- 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
- 〈女性〉平均年金月額:5万7582円
3.2 厚生年金(老齢厚生年金)の平均受給額
- 〈全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金の金額を含む
国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額は、男女ともに月5万円台となっています。一方で、厚生年金(老齢厚生年金)は全体の平均が15万円台ですが、男女の平均額にはおよそ6万円ほどの差が見られます。
この違いは、厚生年金の受給額が、現役時代の賃金水準や加入期間に応じて決まる仕組みによるものです。厚生年金は、収入に比例して保険料を納める制度であるため、働き方や就業期間の違いが、将来の年金額に反映されやすい特徴があります。
とくに現在のシニア世代では、女性が出産や育児、家族の事情などをきっかけに就業形態を変えたり、仕事を離れたりするケースが少なくありません。その結果、厚生年金の加入期間や賃金水準に差が生じ、平均受給額にも男女差として表れています。
4. まとめにかえて
今回は、2026年度の年金額改定の内容と、現在のシニア世代が実際に受け取っている平均額について解説しました。 2026年度の年金は増額が決定したものの、3.2%という物価上昇率には届かず、生活実感としては「目減り」を感じる可能性が高いのが現実です。
また、受給額は現役時代の働き方や加入期間によって10万円以上の開きが出るなど、ライフコースによる格差も顕著になっています。 まずは「ねんきんネット」などを活用し、自分自身の将来の受給額を正確に把握することから始めてみてはいかがでしょうか。



