2026年を迎え、家族のこれからや家計の行方を考えた方も多いのではないでしょうか。最新の人口推計では、65歳以上が人口の約3割を占める状況となり、日本のかたちは大きく変わりつつあります。筆者はFP(ファイナンシャルプランナー)として家計の相談などを多く受けてきましたが、中でもよく耳にするのが、「昇給したはずなのに、手取りが増えた実感がない」という声です。

本記事では、2026年1月時点の人口データをもとに、働く人が増えても負担感が強まる理由と、「国民負担率46.2%」が意味するものを、制度の仕組みから整理します。

1. 「およそ3人に1人が65歳以上。」働き手は増えても《負担が軽くならない》のはなぜ?

日本の人口構造はいま、大きな転換点を迎えています。2026年1月時点の推計では、総人口は前年より約60万人減少しました。一方で、65歳以上の高齢者が占める割合は29.4%に達し、約3人に1人が高齢者という状況です。

とくに医療や介護の必要性が高まる75歳以上の人口は、すでに2118万人を超えており、今後も増え続けると見込まれています。その一方で、将来の担い手となる15歳未満の人口は、この1年で2.6%以上減少しました。人口が減るだけでなく、世代のバランスそのものが大きく変わりつつあります。

1.1 働き手である「支える側」を上回る「支えられる側」の増加

こうした中、公的年金制度を支える側では変化も見られます。女性や高齢者の就業が広がったことで、会社員や公務員など厚生年金に加入する「第2号被保険者」の割合は、2020年には67%まで拡大しました。

働く人を増やすことで、現役世代の減少による影響を一定程度カバーしてきたと言えます。しかし、その努力を上回るペースで高齢化が進んでいるのも事実です。いま私たちが直面しているのは、単なる「支える側」と「支えられる側」の対立ではありません。

今の高齢者世代もかつては現役として社会を支え、今の現役世代も将来は給付を受ける側へと回ります。社会保障とは、そうした人生の異なるステージにいる人々が手を取り合う「生涯を通じた支え合い」の仕組みです。

しかし、2026年現在の人口推計が示す現実は、その「支え合いのバランス」が構造的な限界を迎えつつあることを示唆しています。働き手を増やす取り組みを続けながらも、社会全体でこの大きな変化にどう向き合っていくかが問われています。