3. 「働き盛り」に負担が集中!社会保障の《給付と負担》
国民負担率の上昇を、もう少し身近な視点で見てみましょう。厚生労働省の資料「ライフサイクルでみた社会保険及び保育・教育等サービスの給付と負担のイメージ」は、人の一生を通じて、どの時期に「給付」を受け、どの時期に「負担」を担っているのかを示したものです。
これによると、人生の初期である幼少期には、出産・育児支援や保育、義務教育などを中心に「給付」が多いことがわかります。また、高齢期には老齢年金や医療、介護といった給付が大きくなります。
一方で、20代後半から50代にかけての働き盛りの時期は、給付よりも負担が大きく上回る期間が長く続きます。この時期には、所得税や住民税に加え、健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険料の負担が継続的に発生します。図では、現役世代の期間にわたって、負担が積み重なっていく様子が示されています。
さらに、子育て世代にあたる年代では、日々の生活費に加えて、保育料や教育費といった支出も重なります。その中で税や社会保険料を負担するため、「収入はあるのに、手元に残りにくい」と感じる人が少なくない背景がうかがえます。
このように、社会保障制度は人生全体で見れば支え合いの仕組みですが、特に現役世代の期間に、負担が集中しやすい構造になっていることが、ライフサイクルの視点から見えてきます。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)/CFP®/J-FLEC認定アドバイザー
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
大の犬好きで、現在も愛犬と暮らす。JADP認定の「動物介護士®」「動物介護ホーム施設責任者®」「ペットセラピスト®」の資格を取得。確かな金融知識を持ちながらも、生活者としてのリアルなライフスタイルやペットケアへの深い造詣を日々の活動の糧としている。
(2026年6月26日更新)