2. 「手取りが少ない」は気のせいか?《国民負担率46.2%》55年で負担は約2倍に!

高齢化が進むと、私たちの家計にどのような影響が出てくるのでしょうか。その一つの指標が、税金と社会保険料を合わせた「国民負担率」です。厚生労働省が公表している「国民負担率(租税負担・社会保障負担)の推移」を見てみましょう。

国民負担率(租税負担、社会保障負担)の推移

国民負担率(租税負担、社会保障負担)の推移<

出所:厚生労働省「社会保障の負担」

1970年度の国民負担率は24.3%でしたが、2025年度の見通しでは46.2%に達しています。これは、「国民全体の所得(国民所得)のうち、約46%が税金や社会保険料として負担」しているということになります。さらに、国が抱える財政赤字を加味した「潜在的な国民負担率」は48.8%とされており、制度を維持するための負担が、長期的に大きくなってきていることが読み取れます。

給料明細を見て「思っていたより手取りが少ない」と感じる場面が増えているとすれば、それは個人の感覚の問題ではなく、社会全体の構造変化が反映された結果とも言えそうです。

さらに、注目したいのは「負担の中身」です。1970年度と比べると、社会保障負担の増加幅が特に大きく、高齢化の進展に伴い、年金・医療・介護を支えるための負担が積み重なってきました。また、財政赤字は、現在の負担だけで賄いきれなかった分を将来に回している状態とも言え、今の世代だけでなく、次の世代にも影響を及ぼす要素となっています。

このように、国民負担率の上昇は、単なる「税金が高い」という話ではなく、人口構造の変化と社会保障を支える仕組みの結果として、現役世代一人ひとりの負担が相対的に大きくなっている現実を映し出しています。