厚生労働省が実施した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯で「生活が大変苦しい」と回答した世帯は25.2%、「生活がやや苦しい」と答えた世帯は30.6%にのぼり、合計で過半数の55.8%もの世帯が生活に苦しさを感じています。
では、実際に70歳代シニアはどのような生活を送っているのでしょうか。
本記事では、70歳代シニアの貯蓄額や年金月額、ひと月の家計収支を統計を基に数字でみていきます。
現在のシニア世帯がどのような暮らしをしているのか知りたい人、周りのシニア世帯と自世帯の生活水準を比較したい人はぜひ参考にしてみてください。
1. 【70歳代シニア】貯蓄額「ふつう」はいくら?
まずは、70歳代シニアの貯蓄額を確認しましょう。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」によると、70歳代二人以上世帯の貯蓄額の分布は以下のとおりです。
なお、貯蓄には預貯金のほかにも株式や投資信託、積立型保険、個人年金保険などを含みます。
1.1 70歳代二人以上世帯の貯蓄額
- 非保有 :10.9%
- 100万円未満 :4.5%
- 100~200万円未満 :5.1%
- 200~300万円未満 :3.7%
- 300~400万円未満 :3.9%
- 400~500万円未満 :2.9%
- 500~700万円未満 :6.4%
- 700~1000万円未満 :6.7%
- 1000~1500万円未満 :11.1%
- 1500~2000万円未満 :6.7%
- 2000~3000万円未満 :12.3%
- 3000万円以上 :25.2%
- 無回答 :0.6%
- 平均値 :2416万円
- 中央値 :1178万円
中央値は1178万円です。過半数の世帯が1000万円以上の貯蓄を保有している一方で、約1割の世帯は金融資産を保有していません。
また、貯蓄が3000万円以上ある世帯が25.2%(約4世帯に1世帯)にのぼるため、同じ70歳代でも世帯による貯蓄額の格差が非常に大きいことがわかります。
2. 【70歳代シニア】年金月額はいくら?
老後は年金をもらえます。では、70歳代シニア世帯はいくら年金を受け取っているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70歳代の年齢別に見た平均年金受給額は以下のとおりです。
2.1 70歳代の国民年金平均受給額
- 70歳:6万1011円
- 71歳:6万770円
- 72歳:6万234円
- 73歳:6万32円
- 74歳:5万9813円
- 75歳:5万9659円
- 76歳:5万9555円
- 77歳:5万9349円
- 78歳:5万9124円
- 79歳:5万8676円
2.2 70歳代の厚生年金受給者の平均年金受給額
- 70歳:15万455円
- 71歳:14万8371円
- 72歳:14万6858円
- 73歳:14万5583円
- 74歳:14万7774円
- 75歳:15万1410円
- 76歳:15万1241円
- 77歳:15万962円
- 78歳:15万862円
- 79歳:15万3115円
会社員や公務員経験がある厚生年金受給者は、月に平均で約14万5000円~15万3000円程度の年金(額面)をもらっています。
一方で、会社員や公務員経験がない専業主婦や自営業者は国民年金のみしか受給できません。
国民年金の平均受給額は、月額約6万円程度です。
そのため平均年金月額として、片働き世帯は夫婦合計で月21万円程度、共働き世帯は夫婦合計で月30万円程度の年金を一つの基準に考えることができます。
3. 【70歳代シニア】ひと月の家計収支は?
70歳代シニア世帯は、毎月黒字なのでしょうか、それとも赤字なのでしょうか。
総務省統計局の調査によると、世帯主が70~74歳の二人以上無職夫婦世帯における「ひと月あたりの家計収支の平均」は以下のとおりです。
3.1 世帯主が70~74歳「二人以上無職世帯」の家計収支(月額)
- 実収入:28万7725円
- 非消費支出:3万9127円
- 消費支出:28万5844円
- 黒字:3万7245円
- 黒字率:-15%
世帯主が70~74歳「二人以上無職世帯」の平均家計収支を見てみると実収入は28万7725円ですが、毎月3万7245円の赤字が生じている状態です。
そのため、多くのシニア世帯は、これまでの貯蓄を取り崩しながら生活を維持している実態がわかります。
4. 老後生活に向けて今から備えよう
本記事では、70歳代シニア世帯のお金事情を平均値や中央値を基に解説しました。ただし、実際の生活実態は世帯によって大きく異なります。
この違いは現役時代の稼ぎや節約、資産形成などによるものです。
そのため、老後にゆとりのある暮らしをしたい人は現役時代からの備えが重要となります。
ぜひ、昇進や転職、副業による年収アップ、節約や資産形成による貯蓄額アップで老後への備えを始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
- J-FLEC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査[二人世帯調査](2025年)」
- 厚生労働省年金局「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」
苛原 寛