ボーナスシーズンを迎え、家計を見直す方も多いのではないでしょうか。

近年の物価上昇は、私たちの生活に大きな影響を与えており、将来への備えとして資産形成への関心が高まっています。

なかでも、2024年から始まった新NISAは注目を集める制度です。

筆者は現在、金融庁などの官公庁が公表する信頼性の高い情報をもとに日々データ解説を行っておりますが、非課税のメリットが大きい新NISAを上手に活用するうえでは、客観的なデータに基づきご自身の運用イメージを持つことも大切だと感じています。

将来の資産額は、毎月の積立額や運用期間、想定する利回りによって大きく変わります。

この記事では、新NISAの基本的な仕組みやメリットをわかりやすく解説します。

さらに、具体的なシミュレーションを通じて、これからの資産形成に向けたリアルなイメージをつかんでいきましょう。

※本記事のシミュレーションで、累計投資額がNISAの生涯非課税保有限度額(1800万円)を超える場合、超過分は課税口座での運用となり課税対象です。

1. 新NISAの基本を解説!おさえておきたい「非課税」のメリット

個人の資産形成を支援する目的で2014年に始まったNISA(ニーサ)は、2024年に制度が大幅に改正され、「新NISA」として新しくなりました。

新NISAの最も大きな特徴は、投資から得られる運用益が非課税になることです。

通常、投資で得た利益や配当には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばこの税金がかからず、利益をまるごと受け取ることが可能です。

新NISA「非課税」のしくみ1/3

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

しかし、投資できる金額や対象商品には一定のルールがあるため、あらかじめ制度の仕組みを理解しておくことが重要になります。

1.1 新NISA制度のポイント6選

新NISAの主な特徴として、以下の6点が挙げられます。

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴2/3

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  1. 非課税で保有できる期間に上限がなくなりました。
  2. 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を同時に利用できます。
  3. 年間の投資上限額は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。
  4. 生涯にわたる非課税保有限度額は合計1800万円で、そのうち成長投資枠は最大1200万円まで利用でき、売却すれば枠が復活します。
  5. つみたて投資枠では、「長期の積立・分散投資」に適していると国が認めた投資信託などが対象です。
  6. 成長投資枠では、上場株式や投資信託など、より幅広い商品に投資ができます。

投資というと、まとまった資金が必要なイメージがあるかもしれません。

しかし、最近では500円や1000円といった少額から始められる商品も増えています。

新NISAを活用すれば、このような少額からでも投資信託や株式の運用を始められるため、投資初心者の方にも適した制度といえるでしょう。

次の章では、毎月コツコツと積立投資を続けた場合、将来的にどのくらいの資産を形成できるのか、具体的なシミュレーションで確認していきます。

2. 50歳から月5万円積立投資シミュレーション【利回り別】

ここでは、以下の前提条件でNISAを利用して積立投資を行った場合、どの程度の資産形成が期待できるのかを確認します。

  • 50歳から65歳までの15年間で老後の資金を準備する
  • 毎月の積立金額は5万円とする
  • 投資信託の利回りは、安定運用を想定して年1%~5%で試算する

2.1 試算結果:毎月5万円を15年間、年利1〜5%で運用すると?

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

想定利回りごとの資産評価額(元本900万円)

  • 年1%の場合:970万円
  • 年2%の場合:1047万円
  • 年3%の場合:1131万円
  • 年4%の場合:1223万円
  • 年5%の場合:1324万円

毎月5万円を15年間積み立てると、最終的に1000万円以上の資産を築ける可能性があります。

投資元本の合計は900万円ですが、運用成果次第では約70万円から最大で424万円程度の利益が上乗せされる計算です。

ただし、投資には元本割れのリスクが伴います。

一般的に、期待できるリターンが高いほどリスクも大きくなることを理解したうえで、制度を活用することが大切です。

3. 15年で3000万円の資産形成は可能?積立額別のシミュレーション

老後の生活に必要な資金は人それぞれですが、ここでは目標額を3000万円と設定して考えてみましょう。

50歳から65歳までの15年間でこの目標を達成するためには、毎月いくらずつ積み立てる必要があるのかをシミュレーションします。

3.1 試算結果:年利5%で15年間運用した場合の積立額別リターン

【新NISA】積立金額別「想定利回り5%」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】積立金額別「運用利回り5%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

毎月の積立額と資産評価額

  • 月4万円の場合:1059万円
  • 月5万円の場合:1324万円
  • 月6万円の場合:1589万円
  • 月7万円の場合:1854万円
  • 月8万円の場合:2119万円

※想定利回りは年5%で計算

シミュレーションの結果、年利5%で15年間運用したと仮定すると、毎月8万円を積み立てても資産額は2119万円となり、目標の3000万円には届きませんでした。

毎月の積立額をこれ以上増やすのは家計への負担が大きくなります。

また、利回りは保証されているものではないため、想定通りに資産が増加しない可能性も考慮する必要があります。

このことから、老後資金の準備はなるべく早くからスタートさせることが大切だとわかります。

運用にかけられる期間が長ければ長いほど、月々の積立額を抑えつつ目標金額を達成しやすくなります。

積立期間を十分に確保することは、毎月の負担を軽くしながら効率的な資産形成を進めるためのポイントです。

4. 収入増に合わせて積立額を増やす資産形成プラン

初めは少額から投資を始め、将来的に家計に余裕ができたタイミングで積立額を増やしたい、と考える方もいるかもしれません。

そのような場合には、収入の増加などに合わせて計画的に積立額を増やしていく方法が有効です。

例えば、最初は毎月1万円でスタートし、5年ごとに積立額を2万円ずつ増やしていくプランを考えてみましょう。

この場合、25年間で合計1500万円の元本を積み立てることが可能です。

もし年利3%で運用を続けられたとすると、最終的な資産総額は約1958万円となり、元本の約1.3倍にまで増える計算になります。

この方法のメリットは、無理のない金額から始められるため、長期的に続けやすい点にあります。

初めのうちは経済的な負担を抑え、収入が増えたタイミングで投資額を増やすことで、生活への影響を少なくしながら効率的に資産を増やしていくことが期待できます。

長期的な資産形成で最も重要なのは、「途中でやめずに継続すること」です。

まずはご自身ができる範囲の少額から始めてみてはいかがでしょうか。

そして、家計に余裕が出てきたら積立額を見直す、という柔軟な対応で、着実な資産形成を目指すのが現実的です。

5. 新NISAで資産形成を目指す鍵は「非課税メリット」と「長期積立」の活用

この記事では、新NISAの基本的な仕組みとメリットを解説し、具体的なシミュレーション結果もあわせて紹介しました。

新NISAは、運用益が非課税になるという大きなメリットがあり、個人の資産形成を力強くサポートしてくれます。

ただし、このメリットを最大限に活かすためには、制度の内容をきちんと理解し、ご自身の状況に合わせて積立額や運用期間を計画することが欠かせません。

シミュレーション結果が示す通り、同じ条件で投資を始めても、想定利回りや毎月の積立額が異なれば、最終的な資産額は大きく変わってきます。

短い期間で大きな目標を達成しようとすると、毎月の積立負担は重くなりがちです。

しかし、長期的な視点で取り組むことで、家計に無理のない範囲で着実に資産を増やしていくことができます。

投資にはリスクがあることを忘れずに、ご自身のペースでコツコツと続けることが、将来の資産を築くための鍵となります。

※当記事は再編集記事です。

【免責事項】

  • この記事は、公開されている公的資料や一般的な情報をもとに作成しており、特定の制度や金融商品、投資行動を推奨するものではありません。
  • 記載されている数値や制度内容、シミュレーション結果は、特定の条件下での試算や一般的な例です。
  • 実際の金額、支給要件、税制、運用成果などを保証するものではなく、制度内容は法改正や経済状況などによって変更されることがあります。
  • 投資に関する内容は、将来の運用成果を約束するものではなく、元本割れなどのリスクがあります。
  • この記事の情報によって生じたいかなる損害や損失についても、一切の責任を負いかねます。
  • 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任でお願いします。

参考資料