4. よくある年金の誤解③:「支払った保険料の元は取れない」は本当か?
公的年金は、単に老後の生活資金を保障する老齢年金だけでなく、万が一の際の障害年金や遺族年金といった機能も併せ持つ、包括的な社会保険制度です。この制度は、加入者が納める保険料と国庫負担によって成り立っており、世代間で互いに支え合う仕組みで運営されています。
さらに、公的年金には所得再分配の機能が備わっています。これにより、現役時代の収入差が、そのまま老後の年金額の格差に直結しないよう調整が行われています。
したがって、「支払った保険料と将来受け取る年金額」を単純比較して損得を論じることは、制度が持つ本質的な価値を見過ごすことになりかねません。公的年金は貯蓄とは異なり、生涯にわたって保障が続く「終身保険」としての性格が強い制度です。予期せぬ長寿や病気、あるいは一家の働き手を失った場合のリスクに備える「保険」として捉えることで、その真の価値を理解できるでしょう。

