4. 追い風となる「年収の壁」の引き上げ

給付付き税額控除の実現までには時間がかかりますが、その実現を後押しする要素として、所得税の「年収の壁」の引き上げが決まっています。2026年度税制改正で、現行の原則123万円・最高160万円から、178万円への引き上げを予定しています。

具体的には、基礎控除の特例をさらに拡大し、控除額を増やす形です。

基礎控除の特例について

基礎控除の特例について

出所:自由民主党「令和8年度与党税制改正大綱」

給与収入665万円相当までの人の特例控除額が拡大される予定で、多くの人の課税所得が下がると見込まれます。所得の少ない人だけでなく、課税世帯など現役世代の多くにも恩恵がもたらされるのです。

比較的大きな規模での実質的な減税が実現できたことは、給付付き税額控除の制度設計を進めるうえでも、追い風となりそうです。この特例拡大措置は2年間の時限的措置ですが、その間に給付付き税額控除の制度設計ができれば、引き続き国民の負担が緩和され、消費の活性化が期待できるでしょう。

5. まとめ

給付付き税額控除は、2026年も制度設計が中心となる可能性があります。もし実現すれば、その人の所得事情に応じた適切な支援が可能になります。制度設計には課題もありますが、物価高への対応や消費喚起のためにも、早期の制度完成が望まれています。

参考資料

石上 ユウキ