2025年は、資産市場が大きく沸いた一年でした。日経平均株価や米国のS&P500、さらには金価格までもが史上最高値を更新。為替市場では、ドル円が160円台を伺うほどの円安が進む場面もあり、政府による為替介入への警戒感から相場が激しく上下するなど、波乱含みの展開が続きました。

こうした市場の高騰を目の当たりにすると、「今から投資を始めたら、高値掴み(価格が高い時にかってしまうこと)ですぐに損をしてしまうのでは?」と、タイミングに悩む方も多いかもしれません。

しかし、投資信託を活用すれば、世界中の複数の資産へ手軽に分散投資が可能です。さらに、積立投資によって購入時期をずらす「時間分散」を味方につければ、一時の価格変動に一喜一憂することなく、着実な資産形成を目指せます。

この記事では投資初心者に向けて、NISAで人気の高い「オルカン」と「S&P500」について解説します。運用実績も比較していますので、ぜひ参考にしてください。

1. 【投資対象を比較】「オルカン」と「S&P500」の基本的な違いとは?

オルカンとS&P500は、どちらも特定の株価指数に連動する成果を目指すインデックスファンドという点は共通しています。

しかし、その投資対象となる範囲が大きく異なっています。

1.1 オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の概要

オルカンは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託の愛称です。

その名の通り、日本を含む先進国や新興国など、世界中の株式約3000銘柄以上に分散して投資を行っています。

組入上位10カ国・地域(2025年11月28日時点)

  1. アメリカ 63.9%
  2. 日本 4.8%
  3. イギリス 3.2%
  4. カナダ 2.9%
  5. フランス 2.3%
  6. 台湾 2.1%
  7. スイス 2.0%
  8. ドイツ 2.0%
  9. ケイマン諸島 1.8%
  10. インド 1.7%

組入上位10銘柄(2025年11月28日時点)

  1. NVIDIA CORP アメリカ 情報技術 4.7%
  2. APPLE INC アメリカ 情報技術 4.4%
  3. MICROSOFT CORP アメリカ 情報技術 3.7%
  4. AMAZON.COM INC アメリカ 一般消費財・サービス 2.4%
  5. ALPHABET INC-CL A アメリカ コミュニケーション・サービス 2.0%
  6. BROADCOM INC アメリカ 情報技術 1.9%
  7. ALPHABET INC-CL C アメリカ コミュニケーション・サービス 1.7%
  8. META PLATFORMS INC-CLASS A アメリカ コミュニケーション・サービス 1.5%
  9. TESLA INC アメリカ 一般消費財・サービス 1.3%
  10. TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC 台湾 情報技術 1.2%

オルカンの主な特徴

  • リスクの分散:投資先が世界中に広がっているため、特定の国や地域の経済が落ち込むといった地政学的なリスクを軽減できます。例えば、米国経済が停滞しても、他の国や地域(欧州、日本、新興国など)の経済成長でカバーできる可能性があります。
  • 自動的なリバランス:世界の経済情勢の変化に応じて、運用会社が国・地域別の投資比率を自動で調整してくれます。そのため、投資家自身が投資先を入れ替える手間がかかりません。

1.2 S&P500(eMAXIS Slim 米国株式)の概要

S&P500は、米国を代表する主要企業500社の株価を基に算出される株価指数であり、世界で最も注目されている指標の一つです。

投資の文脈で「S&P500」という場合、多くは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のような、この指数に連動する投資信託を指します。

投資対象は、米国の主要産業(ハイテク、金融、ヘルスケアなど)を牽引する大企業500社で構成されています。

資産構成(2025年11月28日時点)

  • 実質外国株式 100.0%

・内 現物 98.7%
・内 先物 1.3%
・コールローン他 0.0%

組入上位10銘柄(2025年11月28日時点)

  • NVIDIA CORP アメリカ 半導体・半導体製造装置 7.5%
  • APPLE INC アメリカ テクノロジ・ハードウェア・機器 7.0%
  • MICROSOFT CORP アメリカ ソフトウェア・サービス 6.1%
  • AMAZON.COM INC アメリカ 一般消費財・サービス流通・小売り 3.8%
  • BROADCOM INC アメリカ 半導体・半導体製造装置 3.2%
  • ALPHABET INC-CL A アメリカ メディア・娯楽 3.2%
  • ALPHABET INC-CL C アメリカ メディア・娯楽 2.5%
  • META PLATFORMS INC-CLASS A アメリカ メディア・娯楽 2.3%
  • TESLA INC アメリカ 自動車・自動車部品 2.0%
  • BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B アメリカ 金融サービス 1.6%

S&P500の主な特徴

  • 高い成長性への期待:米国経済は過去数十年にわたり成長を続けてきました。特に、アップル、マイクロソフト、NVIDIAといった巨大テック企業が指数に含まれており、これらの企業の成長による恩恵を直接的に受けられる可能性があります。
  • 米国への「集中」がもたらすメリットとリスク:投資対象が米国一国に集中しているため、高いリターンが期待できる反面、米国経済が長期的に低迷した場合には、その影響を大きく受けるリスクも伴います。