4. 「社会保険の壁」は変わらない

今回引き上げられるのは所得税の年収の壁です。社会保険の壁については、変更はありません。社会保険の壁と呼ばれる基準点には、以下の2つがあります。

  • 106万円の壁:従業員51人以上の企業で働く場合、厚生年金・健康保険への加入が必要になるライン。
  • 130万円の壁:夫の扶養(社会保険)から外れ、自分で保険料を払う必要が出るライン。

178万円まで収入を増やせたとしても、106万円や130万円到達時に、社会保険への加入が必要になります。社会保険料による手取り減少の可能性は否めません。とくに、パートやアルバイトの人は注意が必要です。

加えて、106万円の壁については、要件のひとつである「賃金月額8万8000円以上」が3年以内に撤廃される見込みで、従業員51人以上という「企業規模要件」についても、段階的な撤廃を予定しています。そのため、106万円の壁に該当する人は今後さらに増えると考えられます。

とはいえ、今回の壁の引き上げは比較的大きいため、収入が178万円になるまで働いたほうが、結果的に毎月の収入を増やせる場合もあります。現時点での税額や保険料をあらためてチェックし、どの働き方が手取りを最大化できるのか確認しておきましょう。

5. まとめ

年収の壁は103万円から123〜160万円を経て、178万円まで引き上げられました。今回の改正から基礎控除は都度変動する仕組みとなったため、今後年収の壁は毎年のように動くことが想定されます。

また、基礎控除が拡充されることで、中間層にも恩恵が生まれます。増えた手取りを生活費や資産形成などに充てて、家計への負担を和らげましょう。

参考資料

石上 ユウキ