6. データで見る物価高の現実。「コメ」や「チョコ」など身近なモノが急騰

「推し企業なら値上げも許容するが、普段の消費にはメリハリをつける」。Z世代がこうした行動をとる背景には、現在の物価上昇の影響も考えられます。

そこで、総務省が公表した2025年10月の消費者物価指数から、その実態を見てみましょう。

6.1 消費者物価指数は前年同月比3.0%の上昇

消費者物価指数(総合、生鮮食品を除く総合、生鮮食品及びエネルギーを除く総合の指数)

出所:総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)10月分」

2025年10月の全国の消費者物価指数(総合)は、2020年を100として112.8となり、前年同月比で3.0%の上昇となりました。

また、天候の影響を受けやすい生鮮食品と、市況に左右されやすいエネルギーを除いた「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」指数も3.1%上昇しており、物価上昇が一時的なものではなく、広範囲に及んでいることがわかります。

6.2 食料品は6.4%増、コメや嗜好品の値上がりが直撃

総合指数の前年同月比に寄与した主な内訳のうち食料品の詳細

出所:総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)10月分」

家計への影響が大きい「食料」について見ていきましょう。

  • うるち米(コシヒカリを除く):39.6%の上昇 
  • チョコレート:36.9%の上昇 
  • コーヒー豆:53.4%の上昇

食料の中でもとくに、主食であるお米が約4割、ちょっとした息抜きに楽しむチョコレートが約3割、コーヒー豆が約5割と跳ね上がっています。

このように、生活の基盤となる食料品価格が確実に上昇しており、日々の生活コストが増えています。

「推し」への出費を維持し、それ以外の支出をシビアに管理する「メリハリ消費」が、Z世代にとって単なる節約術ではなく、不可欠な「生活防衛策」となっていることが消費者物価指数からも読み取れます。

7. まとめ

企業に対する「推し活」とは、企業のビジョンや人に惹かれ、積極的に利用したり他の人に広めたりして応援するこ都だと考えられます。

Z世代は、推し企業に対しては「値上げしても買い続けたい」と思うとともに、他の消費にはシビアになるという「メリハリ」もあるようです。

企業にとっては、いかにZ世代の推しになってもらえるかが重要になるのかもしれませんね。

参考資料

LIMO・U23編集部