5. まとめにかえて

「老後2000万円問題」は、特定の年の家計データをもとにした平均的な試算から生まれたものでした。最新の家計調査では赤字額が縮小していますが、これは年金額の見直しや統計上の条件の違いによる影響も大きく、生活が大きく楽になったと断定できるものではありません。

さらに、インフレが進めばお金の価値は目減りし、同じ「2000万円」でも将来の実質的な意味は変わってきます。医療・介護費用や生活スタイルの違いも踏まえ、「いくら必要か」を自分の条件で考え、早めに備えていくことが大切です。

参考資料

村岸 理美