2. 「今の家計収支でみる」毎月の不足額はいくら?
では、現在、年金と物価の状況はどう変化しているのでしょうか。総務省の2024年(令和6年)の家計調査(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)を見てみましょう。
- 実収入:25万2818円
- 支出合計:28万6877円
- 毎月の不足分(赤字):3万4058円
2.1 赤字額が約2万円減ったのはなぜ?
2017年の赤字約5.5万円に比べ、2024年の赤字は約3.4万円と小さくなっていますが、必ずしも暮らしが楽になったとは言い切れません。
主な理由は、年金額が物価の動きなどを反映して見直され、収入が増えたためです。一方、家計調査は一部の世帯を対象にした調査のため、調査対象の違いによって平均値が前後することがあります。加えて、支出項目の区分が年ごとに調整されることもあり、単純な比較は難しい面があります。
このため、赤字額は減っていても、年金収入だけで生活費をまかなうのが難しいという本質的な状況は依然として続いています。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)/CFP®/J-FLEC認定アドバイザー
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
大の犬好きで、現在も愛犬と暮らす。JADP認定の「動物介護士®」「動物介護ホーム施設責任者®」「ペットセラピスト®」の資格を取得。確かな金融知識を持ちながらも、生活者としてのリアルなライフスタイルやペットケアへの深い造詣を日々の活動の糧としている。
(2026年6月26日更新)