5. 年金制度改正の動向：iDeCo加入年齢拡大などの変更点
2025年6月13日に成立した年金制度改正法により、公的年金制度にいくつかの大きな変更が加えられました。
主な内容には、社会保険の適用拡大（いわゆる「年収106万円の壁」の見直し）、在職老齢年金の支給停止基準額の引き上げ、遺族年金の制度変更などが含まれています。
これと同時に、私的年金である「iDeCo（個人型確定拠出年金）」や「企業型DC」についても、いくつかの改正が行われる予定です。
5.1 iDeCoの加入可能年齢が70歳未満に（3年以内に実施）
現在の加入条件から、働き方にかかわらず「70歳未満」まで加入可能年齢が引き上げられます。
- 現行のiDeCo加入条件
- 国民年金の被保険者であること
- 老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていないこと
- 加入可能年齢引き上げ後
- iDeCoを利用して老後の資産形成を続けたい方
- 老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていないこと
5.2 企業型DCのマッチング拠出上限が拡充（3年以内に実施）
企業型DCにおいて、加入者自身が掛金を上乗せする「マッチング拠出」について、事業主の掛金額を超えてはならないという上限が撤廃されます。これにより、拠出限度額の枠をより有効に活用できるようになります。
5.3 企業年金の運用状況の情報開示（5年以内に実施）
厚生労働省が各企業年金の運営状況に関する情報を集約して公開し、他社との比較や分析がしやすくなります。
6. 年金生活者支援給付金の対象か確認しておこう
ここまで、年金生活者支援給付金の支給額の目安、対象となる方の条件、請求手続きについて解説しました。
12月は年金支給の時期であり、対象となる方にとっては給付金が支給される大切な月です。
年金生活者支援給付金は申請しなければ受け取れないため、支給対象になっていないか早めに確認しておきましょう。
支給要件を満たしている場合は、必要な手続きが完了しているか、この機会に改めて確認してみることをおすすめします。
※この記事は再編集記事です。
参考資料
- LIMO「【冬の給付金】12月15日の振込「年金生活者支援給付金」いくら受け取れる？対象者・給付額・申請の流れを今から確認」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「老齢（補足的老齢）年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内リーフレット」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします～年金額は前年度から 1.9％の引上げです～」
- 日本年金機構「個人の方の電子申請（年金生活者支援給付金請求書）」
