【12月15日は今年最後の年金支給日】厚生年金＋国民年金「月額20万円以上の人」は16.3％、「月10万円に満たない人」の割合は？令和7年度税制改正で「年金の源泉徴収」はどう変わる？

3. 国民年金と厚生年金の平均受給月額を比較｜男女別の違いは？

厚生労働省年金局が公表した『令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』を基に、厚生年金と国民年金の平均受給月額を確認します。

※本記事で取り上げる厚生年金の金額は、民間企業に勤務していた方が対象の「厚生年金保険（第1号）」であり、国民年金（老齢基礎年金）部分を含んだものです。

厚生年金・国民年金の平均年金月額（2023年度末現在）

※ここで紹介しているのは、民間企業に勤務していた方が受け取る「厚生年金保険（第1号）」の年金月額です。

国民年金の保険料は一律であるため、将来の受給額に大きな差は生じにくく、男女ともに平均月額は5万円台です。

2025年度の満額でも月額6万9308円程度であることから、国民年金だけで月10万円以上を受け取るのは難しいでしょう。

一方、厚生年金は国民年金に上乗せされる制度で、保険料が収入に比例するため、受給額には個人差が大きくなる傾向があります。

これらの平均受給額を見ると、公的年金だけで老後の生活をまかなえるのか、気になる方も多いでしょう。

総務省の『家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要』によれば、65歳以上の無職世帯における1カ月あたりの消費支出は、二人以上世帯で25万6521円、単身世帯で14万9286円となっています。

先述の通り、公的年金の平均月額は厚生年金で約14万6000円、国民年金で約5万8000円です。

この消費支出額と比較すると、世帯に月20万円以上の年金受給者が一人いれば、単身世帯の生活費を年金収入だけでまかない、二人以上世帯でも生活費の多くをカバーできる計算になります。

国民年金のみで生活費をまかなうのは厳しい状況を考えると、月額10万円が一つの目安となりそうです。

それでは、厚生年金（国民年金部分を含む）受給者のうち、「月10万円未満」と「月20万円以上」では、どちらの割合が高いのでしょうか。