2025年も師走に入り、年末年始の準備を進めている方も多いのではないでしょうか。
12月15日は、年金を受給されている方にとって年内最後の年金支給日となります。
厚生労働省の最新データによれば、厚生年金受給者の平均月額は約14万6000円ですが、これはあくまで平均値です。
実際には、現役時代の働き方や年金の加入期間などによって、老後受給できる年金額には個人差が生じます。
例えば、厚生年金+国民年金を「月20万円以上受け取っている人」は全体の16.3%です。
では、厚生年金+国民年金が「月10万円に満たない人」の割合はどれくらいでしょうか。
本記事では、令和7年度税制改正による年金の源泉徴収への影響や、厚生年金の受給額分布について、公的なデータを基にわかりやすく解説します。
年金生活に向けての計画を立てる際に、ぜひお役立てください。
1. 令和7年度税制改正で年金の源泉徴収はどう変わる?非課税対象額が「158万円未満」から「205万円未満」へ
令和7年度の税制改正によって、所得税の基礎控除額が見直されました。
この変更に伴い、公的年金から源泉徴収が行われない年金額の上限が引き上げられます。具体的には、65歳以上の方は「158万円未満」から「205万円未満」へ、65歳未満の方は「108万円未満」から「155万円未満」へと変更されます。
2025年分の公的年金で源泉徴収額を計算する際に適用される基礎控除額は、次の通りです。
1.1 【2025年】年齢で異なる公的年金の源泉徴収、基礎控除額の計算方法
65歳以上の場合
- 2025年12月の精算時
- 公的年金等の月割額 × 25% + 10万円(計算結果が16万5000円未満の場合は16万5000円)
- 2025年の各月の年金支給時
- 公的年金等の月割額 × 25% + 6万5000円(計算結果が13万5000円未満の場合は13万5000円)
65歳未満の場合
- 2025年12月の精算時
- 公的年金等の月割額 × 25% + 10万円(計算結果が12万5000円未満の場合は12万5000円)
- 2025年の各月の年金支給時
- 公的年金等の月割額 × 25% + 6万5000円(計算結果が9万円未満の場合は9万円)
1.2 2025年分の所得税における源泉徴収と還付の仕組み
この税制改正を受けて、2025年12月に支給される年金で年末調整が行われます。「年間の確定税額」と「それまでに源泉徴収された税額の合計」を比較し、もし過払いがあれば差額が還付される仕組みです。
続いて、日本の公的年金制度の基本である「2階建て構造」について見ていきましょう。

