3. 【みんなの食費】二人以上世帯の「食費」は全体平均で7万5258円
消費支出の中でも、特に比重が大きい項目として挙げられるのが「食費」です。
「住居費のほうが高いのでは」と思われるかもしれませんが、総務省統計局の家計調査では住居費の平均は約1万7000円とされています。
賃貸で暮らす人にとっては、実感と大きく異なる水準に感じられるでしょう。
この平均額には、家賃の支払いが不要な持ち家世帯や、家賃負担の小さい社宅などが含まれていることが理由です。
実際には、毎月10万円台の家賃を支払う世帯も珍しくありませんし、住宅ローンの返済は消費支出として扱われない点も押さえておきたいところです。
こうした事情を踏まえつつ、次に家計への影響が大きい食費について、年代別の傾向を見ていきましょう。
3.1 【年齢階級別】20歳代~85歳以上・二人以上世帯の「ひと月の食費」
- ~29歳 5万2413円
- 30~39歳 6万9433円
- 40~49歳 7万9900円
- 50~59歳 8万1051円
- 60~64歳 7万9831円
- 65~69歳 7万7405円
- 70~74歳 7万4322円
- 75~79歳 6万8274円
- 80~84歳 6万6257円
- 85歳~ 6万3347円
- 全体平均 7万5258円
食費の状況を見ていくと、最も負担が大きいのは50歳代で、平均は約8万円となっています。
この年代は家計全体の支出も最も多くなる時期で、食べ盛りの子どもがいる家庭が多いことや、家族で外食をする機会が増えることなどが影響していると考えられます。
反対に、食費が最も低いのは20歳代で5万2413円でした。
全体の消費支出が少ない年齢層であるうえ、子どもがいない、またはまだ小さい家庭が多く、比較的食費を抑えやすい時期と言えるでしょう。
その後は年齢が上がるにつれて食費もゆるやかに減少していき、85歳以上では6万3347円まで下がります。
高齢になると食事量が少なくなったり、自炊の頻度が低下したりすることが影響していると考えられます。
さらに内訳を確認すると、どの世代も「調理食品(お弁当・惣菜・冷凍食品など)」への支出が多い傾向にあります。
現役世代では共働きの増加により、食事づくりに時間を割きにくくなり「時短」を重視する家庭が多いのかもしれません。
シニア世帯では、「自分で作るより手軽で、栄養バランスも整えやすい」点から、調理食品を取り入れる場面が増えていることも推測できます。
