2. 【みんなの生活費】二人以上世帯の「消費支出」は全体平均で約29万円

「消費支出」とは、日々の暮らしに必要な商品やサービスに実際に支払った金額を指し、一般的に「生活費」と呼ばれる部分にあたります。

総務省「家計調査 用語の解説」でも、生活を営むために必要な支払い全般が含まれると定義されています。

その内訳には、食料・光熱・住まい・医療といった欠かせない支出のほか、教養娯楽費や交際費など、日常でお金を使うさまざまな項目が含まれます。

この消費支出は、世帯主の年齢によって水準が変動するのが特徴です。本章では、家計調査の詳細結果(第3-2表)をもとに、年齢階級ごとに1カ月あたりの消費支出の動きを見ていきましょう。

※なお、50歳代までは10歳階級、60歳以上は5歳階級で整理されています。

2.1 【年齢階級別】20歳代~85歳以上・二人以上世帯の「ひと月の生活費」

20歳代~85歳以上《年齢階級別》二人以上世帯の消費支出

20歳代~85歳以上《年齢階級別》二人以上世帯の消費支出

出所:総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」をもとにLIMO編集部作成

  • ~29歳 22万320円
  • 30~39歳 28万6017円
  • 40~49歳 33万2539円
  • 50~59歳 35万4252円
  • 60~64歳 30万6116円
  • 65~69歳 28万1654円
  • 70~74歳 26万2751円
  • 75~79歳 23万1088円
  • 80~84歳 22万6282円
  • 85歳~ 21万9429円
  • 全体平均 29万3379円

もっとも支出額が大きいのは50歳代で、平均はおよそ35万円に達します。

教育関連費用や住宅ローン、レジャー費など、多様な支出が重なりやすい時期であり、家計への負担が大きくなりやすい年代といえるでしょう。

特に、子どもの成長に伴う食費の増加や、塾・習い事といった教育費が高くなる家庭では、出費が膨らみやすい時期でもあります。

最も支出が抑えられているのは85歳以上の世帯で、平均は約22万円です。意外なことに、この金額は20歳代の平均的な支出額とほとんど差がありません。

20歳代は収入がまだ高くなく、世帯規模も小さいため、住居費を含む支出全体が抑えられやすいのが特徴と考えられます。

一方、85歳以上では、収入の中心が公的年金となり、食料費や衣類費などの消費が少なくなる傾向があります。医療費や介護関連費が増える可能性はあるものの、全体の消費支出としては落ち着くケースが多いようです。

次に、消費支出の中でも大きな割合を占める「食費」について、年代別の動向を詳しく見ていきましょう。