2025年も残りわずか。物価高に負けじと、日々のやりくりを工夫してきたご家庭も多いでしょう。
「食費をこれ以上削るのは難しい……」「老後の蓄えも不安」という悩みは、今や多くの人が抱える共通の課題。なかでも、限られた年金で生活を支えるシニア世帯にとっては、今の物価高騰はより切実な問題ではないでしょうか。
この記事では、総務省の最新データから見える世代別の食費事情や、2025年12月10日にクックパッドが発表した物価高と年末年始の食費に関する実態調査」から、みんなのリアルな声を聞いてみましょう。
ていねいな家計管理には日々の節約が大切ですが、ただ我慢するだけでは疲れてしまいます。データの裏側にある「みんなの工夫」をヒントに、年末年始を賢く、笑顔で乗り切るコツを一緒に探ってみましょう。
1. 65歳以上・無職年金世帯の家計収支は「毎月約3万円の赤字」
まずは、将来への不安の種でもある「老後の家計のリアル」から。現役世代も気になる、シニア世代の最新の収支状況を見てみましょう。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」をもとに、まずは「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計状況を確認していきます。
この世帯の月間収入は25万2818円で、その約9割にあたる22万5182円を公的年金などの社会保障給付が占めています。
一方、月間支出は28万6877円となっており、うち社会保険料や税金といった「非消費支出」が3万356円、日々の暮らしに必要な「消費支出」は25万6521円でした。
結果として、毎月およそ3万円の赤字が発生しており、生活費の不足分は貯蓄から補填している状況です。
年金生活に入ると現役時代より収入が減るケースが多いため、限られた範囲で支出を管理することが、安定した老後の家計運営に欠かせません。
次に、20歳代から85歳以上までの年齢層ごとに、二人以上世帯の平均的な消費支出額を確認していきましょう。
