6. 【生活意識調査を見る】シニア世帯の25.2％が「大変苦しい」と実感
厚生労働省が公表した「2024（令和6）年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯（※）の生活意識を詳しく見ていきます。
※高齢者世帯：65歳以上の人のみで構成されるか、またはこれに18歳未満の未婚の人が加わった世帯
- 大変苦しい：25.2％
- やや苦しい：30.6％
- 普通：40.1％
- ややゆとりがある：3.6％
- 大変ゆとりがある：0.6％
この調査では、シニアの暮らし向きが大きく三つの層に分かれていることがわかります。
まず、全体の55.8％が「大変苦しい」または「やや苦しい」と回答しており、過半数が家計に負担を感じている状況です。
一方、「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」と回答した世帯は4.2％にとどまり、経済的にゆとりを感じている層がきわめて少ないことがうかがえます。
その中間にあたるのが、40.1％を占める「普通」と答えた層です。
「苦しい」と感じるほどではないものの、「ゆとりがある」と言えるほど余裕があるわけでもなく、限られた範囲で安定した生活を続けているシニア世帯が一定数存在している様子が見て取れます。
7. まとめにかえて
家計調査によると、標準的な65歳以上の無職夫婦世帯は月々約3.4万円の赤字家計で、貯蓄を取り崩して生活しています。FP予測では、収入増があっても物価高騰が上回り、家計の厳しさは続くと見込まれています。
また、シニア世帯の平均貯蓄額は2560万円ですが、必要となる老後資金は世帯ごとの年金受給額や生活費によっておのずと変わってきます。
老後の生活に備えるには、まず「将来の年金見込み額」と「想定される支出」を把握し、不足額をカバーするための計画的な資金準備を、できるだけ早い段階から始めることが大切です。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」
- ソニー損害保険株式会社【ソニー損保 家計に関するファイナンシャルプランナー200名調査】 FP200名が予想する「2026年の家計」、半数以上が収入増を見込む一方、7割以上が“家計状況は良くならない”と回答（PR TIMES）
- 総務省統計局「家計調査報告（貯蓄・負債編）－2024年（令和6年）平均結果－（二人以上の世帯）」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「2024（令和6）年 国民生活基礎調査の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告（貯蓄・負債編）－2023年（令和5年）平均結果－（二人以上の世帯）」
- 厚生労働省「2024（令和6）年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
マネー編集部貯蓄班
