2025年11月21日、高市内閣における経済対策が閣議決定されました。
この中で特に注目されていたのが「物価高対策」です。冬季の電気代・ガス代の補助(1~3月)に加え、子ども1人あたり2万円の現金給付案が盛り込まれています。
夏の参院選で自民党が公約に掲げていた国民全員への一律現金給付は見送り。一時的に現金を”ばらまく”だけでは根本的な解決が目指せないことから、高市総理は「給付付き税額控除」を進める方針です。
なお、自民・立憲・公明の3党で「給付付き税額控除」について、1回目の協議がすでに行われています。11月20日、立憲民主党の本庄政調会長は自民・小林政調会長と会談をおこない、前述の3党に維新を加えた4党で、「給付付き税額控除」について速やかに協議を開催することを改めて確認したと説明しています。
これから制度導入に向けて協議が重ねられていく給付付き税額控除とは、具体的にどのような制度なのか。具体例をあげながら詳しく解説していきます。
1. 高市総理が推進する「給付付き税額控除」の概要
高市総理は、2025年10月24日に行った所信表明演説の中で、「給付付き税額控除」の制度設計を速やかに始めるとの考えを示しました。
この演説では、夏の参議院議員選挙で自由民主党が公約として掲げた一律での現金給付は実施しない方針であることも、あらためて明確にされました。
首相官邸のウェブサイトで公開されている「第219回国会における高市内閣総理大臣所信表明演説」によると、総理は「この内閣が最優先で取り組むことは、国民の皆様が直面している物価高への対応」であり、「実質賃金の継続的上昇が定着するまでには、一定の時間を要する」と述べています。
さらに、「税・社会保険料負担で苦しむ中・低所得者の負担を軽減し、所得に応じて手取りが増えるようにしなければならない」と語り、恒久的かつ公平な対策として「給付付き税額控除」の導入を急ぐ考えを表明しました。
この発言から、高市内閣が一時的な対応策に留まらず、「国民の生活を根本から支える仕組み作り」を目指していることが分かります。
それでは、高市総理が導入に意欲を示す「給付付き税額控除」とは、具体的にどのような制度で、誰がどのような恩恵を受けられるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
