12月に入り、年末調整や確定申告、教育費・医療費・保険料などの支出が重なり「家計の見直し」を始める人が増える時期です。
そんななか、実は「申請しないともらえないにも関わらず、活用されていない“お金の支援制度”が多い」ことをご存じでしょうか
生活を支援するためのさまざまな給付金や控除制度がありますが、多くは自分で申請しなければ受け取れません。
児童手当や出産育児一時金などの子育て支援、育児休業給付金や教育訓練給付金といった雇用保険からの給付などは、知っているかどうかで家計に大きな差が生まれます。
本記事では、申請すれば受け取れる主要な給付金と税負担軽減制度について詳しく解説します。
1. 子育て世帯の基本支援「児童手当」
児童手当は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもを養育している方に支給される制度です。手当の金額は、3歳未満は1万5000円(第3子以降は3万円)、3歳以上〜高校生年代は1万円(第3子以降は3万円)です。
支給を受けるには、お住まいの市区町村への申請が必要(公務員の場合は勤務先)で、原則として申請した月の翌月分から支給が始まります。
毎年偶数月に、それぞれ2カ月分がまとめて支給される仕組みとなっています。子育て世帯の経済的負担を軽減し、安心して子どもを育てられる環境づくりを目的とした重要な制度です。
2. 出産時にもらえる大きな支援「出産育児一時金」
出産育児一時金は、健康保険に加入している方が出産した際に、出産費用の負担を軽減するために支給される制度です。現在、子ども一人あたり50万円が支給され、多胎児の場合は、人数分が支給されます。
直接支払制度を利用すれば、医療機関が健康保険組合に直接請求するため、出産費用として大きな金額を用意する必要がありません。出産費用が50万円未満だった場合は、差額分を後日受け取ることができます。
一方、出産費用が50万円を超えた場合は、超過分のみを自己負担することになります。なお、申請先は加入している健康保険組合や協会けんぽ、国民健康保険などです。
3. 休業中の収入減少を補う「育児休業給付金」
育児休業給付金は、雇用保険に加入している方が育児休業を取得した際に、休業中の収入減少を補うために支給される制度です。原則として、子どもが1歳になるまでの期間が対象で、保育所に入所できないなどの事情がある場合は最長2歳まで延長できます。
給付額は、育児休業開始から180日目までは休業開始前の賃金の67%相当額、181日目以降は50%相当額となります。2カ月ごとに支給申請を行い、ハローワークを通じて給付されます。
男性の育児参加促進のため、いわゆる「パパ・ママ育休プラス」という制度もあり、両親がともに育児休業を取得する場合には、より柔軟な取得が可能です。
また、2025年4月から「出生後休業支援給付金」が創設され、一定の条件で「手取り10割相当」に近づくよう給付が上乗せされる仕組みが始まっています。
4. 医療費を払った分が家計に戻る「医療費控除」
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税等の負担を軽減できる制度です。本人だけでなく、生計を一にする家族の医療費も合算できます。
医療費の合計額から保険金などで補填された金額を差し引き、さらに10万円(または所得金額の5%のいずれか少ない方)を差し引いた金額が控除対象となります。対象となる医療費には、病院での治療費や処方された薬代、通院のための交通費などです。
5. スキル向上に使える「教育訓練給付金」
教育訓練給付金は、働く人の能力開発やキャリアアップを支援するための制度です。厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講した際に、受講費用の一部が支給されます。
一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金の3種類があります。
- 一般教育訓練:受講費用の20%(上限10万円)
- 特定一般教育訓練:50%(上限25万円)
- 専門実践教育訓練:80%(年間上限64万円)
雇用保険の被保険者期間が一定以上あることが要件となり、ハローワークで手続きを行う必要があります。実質的な自己負担を抑えながら、キャリアチェンジやスキルアップを目指せる制度です。
6. 条件が合えば大きくお得に「住宅リフォーム支援」
住宅リフォーム支援には、さまざまな制度があります。主なものとして、バリアフリーリフォームや省エネリフォーム、耐震改修などを行った場合の所得税の減税制度があります。
また、介護保険の要介護認定を受けている方が手すりの取り付けや段差解消などの住宅改修を行う場合は、介護保険から最大20万円まで費用の9割(所得に応じて8割または7割)が支給されます。
リフォームを検討する際は、お住まいの自治体のホームページや窓口で利用可能な制度を確認してみましょう。
7. 実質負担を抑えて節税「ふるさと納税」
ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄附をして、所得税や住民税の控除を受けられる制度です。寄附金額から2000円を差し引いた金額が、一定の上限額まで所得税と住民税から控除されます。
控除上限額は、年収や家族構成によって異なります。多くの自治体では、寄附のお礼として地域の特産品などの返礼品を用意しており、実質2000円の負担で様々な品を受け取れる点が人気です。
返礼品で生活必需品を受け取れば、実質的に家計の節約につながります。さまざまな自治体が魅力的な返礼品を用意しているため、ぜひ調べてみましょう。
8. まとめにかえて
子どもが誕生したときは、児童手当や出産育児一時金、育児休業給付金等を受け取れます。勤務先が手続きを進めてくれるケースもありますが、基本的には自分で能動的に動く方がいいでしょう。
年間の医療費が10万円を超えた場合は、医療費控除を活用しましょう。家族全員の医療費を合算できるため、領収書を保管しておくことが大切です(マイナポータルでも確認可)。
年末のこの時期は、給付金・控除・補助金の対象確認をする絶好のタイミングです。
使える制度は家族ごと・年齢ごと・働き方ごとに異なるため、「自分の状況で受けられる制度は何か」を一つずつ洗い出し、早めの手続きで家計を守りましょう。


