4. 国民年金、「自分の安心につながる制度」として活用しよう

この記事では、国民年金保険料の推移や最新の年金額、簡易生命表のデータなどをもとに、国民年金制度の役割と現役世代が感じやすい負担について整理しました。国民年金は、将来の生活を支える老齢基礎年金だけでなく、万一のときの障害基礎年金・遺族基礎年金も含めた、生活を守るための大切なしくみです。病気や事故、家族の支え手の急な不幸など、思いがけないリスクからあなたと家族を支えてくれます。

また、過去の国民年金保険料総額と給付額の関係を見ると、年金は約6年9カ月で元が取れる堅実な制度であることも一つの試算結果としてわかりました。ただし、実際の受給額は物価や賃金の動きにあわせて毎年見直されるため、あくまで目安としてとらえることが大切です。

確かに、いまの現役世代は、昔よりも年収に占める国民年金保険料の割合が高く、負担を感じやすい状況にあります。しかし、保険料を納めないままにしてしまうと、将来の老齢年金に加え、障害や遺族への保障も受けられなくなる可能性があります。まずは、保険料を確実に納め続けることが、将来の安心につながる第一歩です。もし支払いが難しい時期があれば、免除や納付猶予制度を活用し、保障を途切れさせないことを検討しましょう。

国民年金は、老後だけでなく「人生のさまざまなリスク」から守ってくれる国の基盤となる制度です。ぜひ、自分や家族の安心のために、上手に活用してみてはいかがでしょうか。

参考資料

村岸 理美