商業施設といえば、物を買ったり、食事を食べたり、サービスを受けたりする場所というイメージがあります。とくにZ世代にとっては、商業施設は単に商品を購入する場所というだけではなくなっているようです。

「推し活」が一般的になっている今、商業施設に求められているものとは何でしょうか。今回の記事では商業施設の滞在時間や目的から、Z世代の求める「快適さ」と「特別感」を考察します。

1. Z世代が商業施設に求めるものとは?

株式会社COUNTERWORKSが実施した「Z世代の商業施設に関する実態調査」を見ていきましょう。

1.1 調査概要

  • 調査名称:「Z世代の商業施設に関する実態調査」
  • 調査期間:2025年10月8日〜10月15日
  • 有効回答数:497名
  • 調査対象:1都3県に住む18歳以上24歳以下の男女
  • 性別構成:男性 51.1%(n=254)/女性 48.9%(n=243)
  • 年齢構成:18〜19歳 19.9%(n=99)/20〜24歳 80.1%(n=398)

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
※本調査は当該サークルと株式会社カウンターワークスの共同発表であり、早稲田大学の公式見解ではありません。

1.2 訪問頻度は月2回以上が多い

直近1年間で商業施設に行った頻度1/7

直近1年間で商業施設に行った頻度

出所:株式会社COUNTERWORKS「Z世代の商業施設に関する実態調査」(PRTIMES)

直近1年間で商業施設に行った頻度 (n=497)

  • 週1回以上: 22.1%
  • 月2〜3回: 25.8%
  • 月1回程度: 20.3%
  • 年数回: 12.3%
  • 一度も行っていない: 19.5%

商業施設への直近1年間の訪問頻度を見ると「月2~3回」が25.8%、「週1回以上」が22.1%と、47.9%が月2回以上訪れており、商業施設は依然として生活の一部であることがわかります。

2. 滞在時間の半数は1時間前後、目的によって大きく変動

商業施設に来館した際の1回あたりの平均滞在時間2/7

商業施設に来館した際の1回あたりの平均滞在時間

出所:株式会社COUNTERWORKS「Z世代の商業施設に関する実態調査」(PRTIMES)

商業施設に来館した際の1回あたりの平均滞在時間 (n=400)

  • 30分未満: 13.5%
  • 1時間前後: 44.5%
  • 2〜3時間: 37.5%
  • 半日以上: 4.5%

1回あたりの平均滞在時間は、「1時間前後」が44.5%で最も多く、次に「2〜3時間」が37.5%でした。全体として8割以上が3時間以内の滞在です。

2.1 来館目的別の滞在時間

商業施設の滞在時間は、来館目的によって大きく変動します。

時間つぶしでは、滞在時間「2~3時間」が39.2%と、平均的な滞在傾向と近いです。

ポップアップストア・イベント催事が目的の人は、滞在時間「2~3時間」が48.1%と最も高く、目的のイベントがある場合は長く滞在することがわかります。

商品受取が目的の人は、滞在時間「30分未満」が17.4%と、短時間での利用が目立ちます。

3. 商業施設に求めるのは「快適な空間」と「モバイル対応」

商業施設に増えてほしい機能・サービス4/7

商業施設に増えてほしい機能・サービス

出所:株式会社COUNTERWORKS「Z世代の商業施設に関する実態調査」(PRTIMES)

商業施設に増えてほしい機能・サービス (n=400、複数回答)

  • 休憩・作業スペース: 54.0%
  • キャッシュレス対応: 43.5%
  • スマホで注文・受取できるモバイルオーダー機能: 30.8%
  • 学べる・体験できる場: 19.2%
  • SNS映えスポット: 16.0%
  • 服のリペア・リユースなどサステナブルな取り組み: 14.8%
  • デジタルサイネージ: 12.8%
  • 特にない: 13.8%
  • その他: 0.0%

Z世代が商業施設に「増えてほしい機能・サービス」として最も求めているのは、「休憩・作業スペース」で54.0%という結果でした。

施設を買い物目的だけではなく、居心地のよい場所として利用したいというニーズがあるようです。

その他の要望としては、「キャッシュレス対応」が43.5%、「スマホで注文・受取できるモバイルオーダー機能」が30.8%と上位に挙がっており、デジタル時代の利便性や効率性が求められていることがわかります。

4. 「推しイベント」は遠出の動機になる

商業施設の来館意欲を高める要素5/7

商業施設の来館意欲を高める要素

出所:株式会社COUNTERWORKS「Z世代の商業施設に関する実態調査」(PRTIMES)

商業施設の来館意欲を高める要素 (n=400、複数回答)

  • 施設の雰囲気や内装が心地よい: 42.0%
  • 友人や恋人と一緒に楽しめる: 33.8%
  • ここだけで購入できる商品やブランドがある: 30.8%
  • 推しイベントやコラボ企画がある: 21.0%
  • 期間限定で開催されるイベント・ショップがある: 20.8%
  • 商品受取ができるなど、利用が便利: 17.8%
  • SNSで話題になっている・よく見かける: 17.0%
  • 写真映えするスポットや展示がある: 14.0%
  • 特にない: 14.0%
  • その他: 1.0%

商業施設の来館意欲が高まる要素として、雰囲気や内装が最も多く52.0%に上りました。

また「ここだけで購入できる商品やブランドがある」が30.8%、「推しイベントやコラボ企画がある」が21.0%、「期間限定で開催されるイベント・ショップがある」が20.8%と、「限定」の商品やイベントなどの企画に注目が集まっていることがわかります。

4.1 「限定イベント」があれば遠い商業施設にも行く人が多い

限定イベントやポップアップがあれば、普段より遠い商業施設にも行くと思いますか?6/7

限定イベントやポップアップがあれば、普段より遠い商業施設にも行くと思いますか?

出所:株式会社COUNTERWORKS「Z世代の商業施設に関する実態調査」(PRTIMES)

限定イベントやポップアップがあれば、普段より遠い商業施設にも行くと思いますか? (n=400)

  • そう思う: 23.0%
  • ややそう思う: 47.2%
  • あまり思わない: 22.5%
  • 思わない: 7.2%

「限定イベントやポップアップがあれば、普段より遠い商業施設にも行くか」という問いに対し、「そう思う」が23.0%、「ややそう思う」が47.2%で計70.2%が「遠出も厭わない」と回答しています。

Z世代は「推し活」や「限定」といった特別感のある体験に対して高い価値を見出し、それを求めて積極的に行動しているようです。

5. 経済指標に見る消費の動向

こうした消費活動は、実際の経済指標にどのように表れているのでしょうか。
ここからは、経済産業省が発表した「商業動態調査」の2025年9月速報値から、商業販売額の動向を見てみましょう。

2025年9月の商業販売額(商業計)は、53兆710億円となり、前年同月比1.8%の増加となりました。

卸売業の販売額は40兆4,580億円で、前年同月比2.1%の増加となりました。季節調整済前月比では0.0%の横ばいです。

小売業の販売額は12兆6,130億円で、前年同月比0.5%の増加となりました。季節調整済前月比では0.3%の上昇となりました。

小売業の増加率は卸売業に比べて低いものの、商業販売額全体が前年を上回って推移していることから、消費活動が堅調に回復していることがわかります。

とくに「小売業」が季節調整済みで上昇していることは、日本の経済全体で消費が活発になっていることだとわかります。Z世代の「推し活」なども関係しているでしょう。

6. まとめにかえて

Z世代が商業施設に求めるものとして「居心地の良さ」や「キャッシュレス対応」があることがわかりました。

また、商業施設における限定イベントは「価値ある体験」を提供しており、商業施設に来たくなるきっかけをつくっているようです。

Z世代の「推し活」や限定品を求める声に応えることで商業施設に賑わいが生まれ、買い物がしやすく、居心地が良い場所であれば「また来よう」となるのではないでしょうか。

参考資料

LIMO・U23編集部