2026年という新しい年が幕を開けました。ご家族とゆっくり過ごしながら、これからの仕事や健康について思いを馳せている方も多いのではないでしょうか。「年金は老後にもらうもの」と思われがちですが、実は現役世代の「もしも」を支える大切な盾となるのが「障害年金」です。
厚生労働省から先月12月に発表された「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、今回は「障害年金」の気になる平均受給額、「障害年金生活者支援給付金」は50歳代に利用者が多いという実態について解説します。
1. 【障害年金】受給者が増加傾向!障害基礎年金の受給者約222万人!
「年金」というと高齢者向けの制度という印象を持たれる方もいますが、障害年金は現役世代の「もしも」に備えるための公的保険です。
障害年金には、国民年金の加入状況などに応じて支給される「障害基礎年金」、厚生年金加入中の方が対象となる「障害厚生年金」、一定の条件を満たした場合に一時金として支給される「障害手当金」の3つの種類があります。
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、障害年金の受給者数は次のように推移しています。
- 障害基礎年金:約222万人(前年度比+4万人増)
- 障害厚生年金:約55万人(前年度比+3万人増)
障害基礎年金の受給者数には、自営業者などの「基礎年金のみ」の人に加え、会社員などで「基礎年金+厚生年金」の両方を受け取っている人も含まれています。障害厚生年金の受給者数には、1級・2級で「基礎年金+厚生年金」を受け取っている人、3級などで「厚生年金のみ」を受け取っている人の合計が計上されています。
注目すべき点は、障害基礎年金・障害厚生年金ともに受給者数が増加傾向にあるという事実です。背景には、がんや糖尿病などの内部疾患に対する制度理解が広がってきたことや、現役世代の就労環境・健康状態の変化など、さまざまな要因が考えられます。
2. 【障害年金】2階建てのしくみ「平均年金月額」はいくら?
実際に受け取れる金額は、働き方(加入している制度)によって「1階建て」か「2階建て」かに分かれます。
障害年金は2階建て2/6
LIMO編集部作成
2.1 障害基礎年金、受給者の平均年金月額
障害基礎年金
- 平均年金月額:7万4691円
国民年金(障害基礎年金)のみを受給している人は、自営業者やフリーランス、専業主婦(夫)など、国民年金加入者が含まれます。平均額を見ると、年金だけで日々の生活費すべてをまかなうのは簡単ではなく、貯蓄や家族の支援、可能な範囲での就労などと組み合わせて生活を成り立たせているケースも多いと考えられます。
2.2 障害厚生年金、受給者の平均年金月額
障害厚生年金
- 平均年金月額:10万4130円
※障害基礎年金分を含んだ金額です。
会社員・公務員などの場合、基礎年金に「厚生年金」が上乗せされるため、平均年金月額は10万円を超えます。給与額(標準報酬月額)によって変動しますが、国民年金のみの場合に比べて手厚い保障となっています。
3. 【障害年金】同じ支給日に上乗せされる「障害年金生活者支援給付金」どんな人が対象?
年金制度には生活を支援するため「年金生活者支援給付金」があることをご存知でしょうか。前年の所得など一定の要件を満たす場合、年金に上乗せして「年金生活者支援給付金」が受け取れます。
3.1 障害年金生活者支援給付金
2025年3月時点の認定されている支給件数と平均年金月額についてみていきましょう。
- 受給件数:217万7166件
- 障害年金生活者支援給付金の平均給付月額:5727円
障害基礎年金の受給者数(約222万人)と近い数の方が受け取っており、ほぼセットで利用されている制度と言えます。平均給付月額は約5700円ですが年額にすれば約6万8千円、決して小さくない金額です。
3.2 障害年金生活者支援給付金、受給件数で一番多いのはどの年代?
受給者の年齢構成を見てみると、次のような分布になっています。
- 30歳未満:26万6276件
- 30歳代:31万6202件
- 40歳代:37万1772件
- 50歳代:46万8876件
- 60歳代:38万4626件
- 70歳代:26万4423件
- 80歳代以上:10万4991件
年齢別に見ると、受給件数が最も多いのは50歳代で、障害年金生活者支援給付金の受給者の中心を占めています。働き盛りの時期であっても、事故や病気、心身の不調によって生活に影響が出るケースは少なくありません。こうしたデータからも、障害年金や障害年金生活者支援給付金は、決して一部の高齢者だけの制度ではないことがわかります。
4. 【障害年金】もしもの備え、制度を知ることが将来の安心につながる
今回は「障害年金」の気になる平均受給額、「障害年金生活者支援給付金」は50歳代に利用者が多いという実態について解説しました。障害年金は高齢期だけでなく、病気やけがで生活や仕事に支障が生じた現役世代を支える大切な公的制度です。最新データを見ると受給者数は増加傾向にあり、平均年金月額や障害年金生活者支援給付金を含めた支援の全体像を知ることが重要だと分かります。
万が一に備え、制度の仕組みや支給要件を正しく知っておくことが、将来の安心につながる一歩と言えるでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 政府広報オンライン「障害年金の制度をご存じですか?がんや糖尿病など内部疾患のかたも対象です」
村岸 理美