晩秋の落ち着いた季節、ご自身の老後や資産のことを考え始める方も多いのではないでしょうか。長寿化が進む日本では、65歳以降セカンドライフの自由時間は現役時代の働く時間を上回る長さになると見込まれています。
今回は、そんな長い人生を安心して過ごすための「成年後見制度」に注目します。制度を利用する人の9割が抱えるお金の不安とは何か、8割以上が専門家に依頼する背景、さらに法定後見制度「補助」「保佐」「後見」の3つのサポートの違いをわかりやすく解説します。
1. セカンドライフの自由時間は11万時間以上!どんな備えが必要?
令和6年簡易生命表によれば、65歳時点の平均余命は男性19.47年、女性24.38年となっています。日本では長寿化が進み、セカンドライフはこれまで以上に長いものになりつつあります。
たとえば、65歳以降の22年間で、食事や睡眠を除き1日14時間を自由に使えるとすると、その総時間は11万2420時間に達します。これは、22歳から65歳までの働く期間(1日8時間、年250日、43年で約8万6000時間と仮定)を大きく上回ります。
この長い老後を自分らしく安心して過ごすため、判断能力の低下に備える成年後見制度への関心が高まっています。
