3. 医療費負担が1割から2割になるとどうなる?

配慮措置が終了し、実質的な負担が増加した人はどのくらいの影響があるのでしょうか。本章では、年間30万円の医療費を支払っているケースで簡単にシミュレーションしていきます。

例えば、年間30万円の医療費であった場合、1割だと年間3万円の自己負担となります。一方で2割のケースでは、同様の医療費で年間6万円の自己負担金額となるため、配慮措置が実施されていた期間と比較すると家計への影響が少なくないと言えるでしょう。

特に定期的な通院をしている方などであれば、その影響が顕著になります。そのため、早めに制度の内容を理解し、適切に家計管理を行うことが重要です。

なお、今回は家計にどの程度の影響を及ぼすのかイメージすることが目的の試算になるため、実際に負担する金額と異なる可能性がある点はおさえておきましょう。

4. もし医療費を支払うことができなくなってしまったら

前章では、医療費負担が1割から2割になった際の簡単なシミュレーションを実施しました。シミュレーションからは実質的な医療費の支払い金額が増えるため、家計管理の重要性について考えることができました。

しかし、どんなに細かく支出管理をしていたとしても、災害などの予期せぬことで医療費の支払いが困難になるケースもあります。もし災害などによって支払いが難しいと感じた場合には、一部負担金の減額・免除等ができる場合があるのでおさえておきましょう。

例えば、東京都なら以下の条件に該当することで、減額や免除を受けられる可能性があります。

  1. 被保険者または世帯主が、震災・風水害・火災その他これらに類する災害により住宅、家財その他の財産について著しい損害を受けたとき
  2. 世帯主または主たる生計維持者が、干ばつ、冷害、凍霜害等による農作物の不作、不良その他これらに類する理由により収入が著しく減少したとき
  3. 世帯主または主たる生計維持者が、事業または業務の休廃止、失業等により収入が著しく減少したとき
  4. 世帯主または主たる生計維持者が、重篤な疾病または負傷により死亡し、心身に重大な障害を受け、または91日以上の入院をしたとき

申請する際は、居住している市区町村の担当窓口にて手続きを行う必要があります。また、申請にあたって「り災証明書」などの提出を求められます。