老後に、働きながら厚生年金へ加入し続けると「年金額が増える」ことをご存知でしょうか。

この制度は「在職定時改定」と呼ばれ、増額分は毎年12月の振り込みから反映されます。

本記事では、12月以降に年金額が増える「在職定時改定」について詳しく解説します。

記事の後半では、働くシニアが知っておきたい「在職老齢年金制度」についても解説しているので、あわせて確認しておきましょう。

1. 12月に振り込まれる年金が増える「在職定時改定」とは?

在職定時改定とは、65歳から70歳の間に働きながら納めた厚生年金保険料を、毎年10月に年金額へ反映する制度です。

就労を続けている場合は、毎年1回、厚生年金の受給額が再計算され、増額分が上乗せされる仕組みとなっています。

対象となるのは、前年9月から当年8月までの被保険者期間で、この分をもとに10月分から年金額が改定されます。

なお、年金の支給は偶数月に2か月分ずつ後払いで行われるため、実際に増額された年金を受け取れるのは12月(10月分・11月分)からとなります。

また、増えるのは厚生年金部分のみで、国民年金の金額は変わりません。

では、在職定時改定によって年金額が見直された場合、実際にどの程度の増額になるのでしょうか。

次章で、在職定時改定による増額分の目安について確認していきましょう。