みなさんは将来に備え、日々どれくらい貯蓄できていますか。

全国の20~50歳代の働く男女を対象に、株式会社ベター・プレイスが実施した「貯蓄と借入れに関するアンケート」によると、現在「貯蓄がある」と答えた人は全体の75.9%となっています。

およそ4人に3人が貯蓄をしている状況です。

貯蓄がある人に、毎月の平均貯蓄額を尋ねたところ「5万円以上~10万円未満」(18.7%)がもっとも多くの割合を占めていました。

次いで「1万円以上~3万円未満」(16.3%)、「3万円以上~5万円未満」(15.2%)という結果になっており、多くの人が「少しずつでも貯めていく」という意識を持っている傾向にあることがうかがえます。

その一方で、将来に向けた「お金の準備」の選択肢の1つとして、「新NISA」を活用した資産運用も注目を集めています。

今回は、新NISAを活用した積立投資における、次の「3つのシミュレーション結果」をご紹介します。

  • 利回り別で15年間「毎月5万円」の積立投資をした「資産評価額」
  • 50歳〜65歳まで年利3%で15年間積立投資《2000万円を目指す》のに必要な「毎月の積立額」
  • 30歳~65歳まで年利3%で35年間積立投資《2000万円を目指す》のに必要な「毎月の積立額」

また【60歳代後半・70歳代前半・75歳以上】を対象にした、ひと月の家計収支についても解説しますので、ぜひ参考にご覧ください。

1. 新NISAを利用すれば「投資で得た利益・配当に課される税金」が非課税になる?

NISA(ニーサ)は、2014年に資産形成を支援するために始まり、2024年からは「新NISA」として制度がさらに拡充されました。

大きな特徴は、投資で得た利益や配当にかかる税金が非課税になる点です。

本来であれば約20%の税金がかかりますが、新NISAを利用すればその負担がなく、利益をそのまま受け取ることができます。

新NISA「非課税」のしくみ2/6

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

ただし、NISAには投資できる上限額や対象となる金融商品に制約があるため、利用する際には制度内容を事前に理解しておくことが重要です。

1.1 「新NISA」にはどんな特徴がある?重要な6つのポイントをチェック

「新NISA」の主な特徴は以下のとおりです。

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴3/6

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  1. 非課税保有期間は無期限
  2. 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
  3. 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  4. 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  5. つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  6. 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

「投資」と聞くと、まとまった資金が必要だと思われがちですが、実際には500円や1000円といった少額から始められる商品も多くあります。

新NISAを活用すれば、株式や投資信託への投資も小さな金額から気軽にスタートできます。

次章では、毎月コツコツ積み立てた場合に、将来どれほどの資産を形成できるのかシミュレーションしていきます。

2. 【利回り別】15年間「毎月5万円」を積立投資した場合の資産額をシミュレーション

本章では、新NISAを活用して積立投資を行った場合に、どれくらい資産を増やせるのかについて、想定利回り1%〜5%でシミュレーションしていきます。

前提条件は次のとおりです。

  • 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
  • 積立額は毎月5万円
  • 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品

シミュレーションの結果は、以下のようになりました。

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果4/6

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

2.1 試算結果:「毎月5万円×15年×年1~5%」で資産はいくらになる?

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

15年間、毎月5万円を積み立てた場合、最終的には1000万円を超える資産形成が見込めます。

積立元本は合計900万円ですが、運用次第では約70万円〜436万円の利益が上乗せされる可能性があります。

ただし、投資にはリスクがあり、リターンが大きい商品ほど価格変動も大きくなる点を理解しておくことが大切です。

3. 年利3%で《2000万円を目指す》50歳~65歳の15年間「月の積立額」はいくら必要?

老後資金の必要額は家庭の状況によって異なりますが、仮に2000万円を用意するケースを想定し、50歳から65歳までの15年間で毎月どれほど積み立てる必要があるかを試算してみます。

ここでは、年利3%で投資信託を運用した場合を前提に、そのシミュレーション結果を紹介します。

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果5/6

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

3.1 試算結果:「15年間×3%×1〜12万円」で資産はいくらになる?

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

シミュレーションによると、年利3%で15年間運用した場合、毎月およそ9万円を積み立てれば「2000万円以上」の資産を形成できる結果となりました。

ただし、毎月9万円という額は決して軽い負担ではなく、利回りも保証されていないため、想定どおりに増えない可能性がある点には注意が必要です。

3.2 年利3%で《2000万円を目指す》30歳~65歳の35年間「月の積立額」はいくら必要?

老後資金づくりのポイントは、できるだけ早い段階から積立を始めることです。

たとえば、年利3%で30歳~65歳までの35年間積み立てた場合、2000万円を目指すために必要な毎月の積立額は約2万7000円にまで抑えられます。

このように、積立期間を長く確保することで、毎月の負担を軽くしながら効率的に資産を増やすことが目指せます。

次は、60歳代後半・70歳代前半・75歳以上】ひと月の家計収支について見ていきます。

老後生活の準備をする際の参考にご覧ください。

4. 【60歳代後半・70歳代前半・75歳以上】ひと月の家計収支はいくら?

一口に65歳以上といっても、年代により生活費が変わる場合もあるでしょう。

60歳代後半、70歳代前半、75歳以上に分けて生活費をみていきましょう。

4.1 60歳代後半・70歳代前半・75歳以上の実収入

  • 65~69歳:30万7741円(うち社会保障給付21万6915円)
  • 70~74歳:27万5420円(うち社会保障給付21万7558円)
  • 75歳以上:25万2506円(うち社会保障給付20万7623円)

収入をみると、どの年代も年金は21万円前後となっています。

しかし年金は加入状況により個人差が大きいので、必ず自身についてねんきんネットなどで年金見込み額を確認しましょう。

4.2 60歳代後半・70歳代前半・75歳以上の支出合計(非消費支出・消費支出)

  • 65~69歳:35万2686円(4万1405円、31万1281円)
  • 70~74歳:30万3839円(3万4824円、26万9015円)
  • 75歳以上:27万3398円(3万558円、24万2840円)

支出をみると大きな差が見られており、60歳代後半は35万円台、70歳代前半では30万円台、75歳以上は27万円台となっています。

理由はさまざまですが、一般的には年齢が上がるにつれて支出が減っています。

ただし実際には家庭の状況により差があるでしょう。

老後にどれくらいの生活費が必要なのか確認しておくことも大切です。

5. 家計に合った資産形成の方法を選択しましょう

ここまで「新NISAを活用すると、資産はどれくらい増えるのか」シミュレーションした結果を詳しく見てきました。

資産運用は、運用状況や複利の効果などによって利益が期待できるものです。

しかしその一方で、新NISAで取り扱っている金融商品は主に投資信託や株式などであるため、元本の保証はなく、価格変動リスクなどが伴います。

また、リスクとリターンは比例する傾向にありますので、家計の生活費を使って資産運用を行うのではなく、余剰資金を用いて検討しましょう。

資産運用について考えるときは、「日々の生活で使うお金」「将来に備えて貯めておくお金」「増やすことを目指すお金」に分けて、家計をまわしていくことを心がけてみてください。

参考資料