4. 遺産が「国庫」に行くまでの流れ
では相続人がいない場合、遺産が国庫に帰属するまでにはどのような流れがあるのでしょうか。
4.1 家庭裁判所→管理人→公告→国庫帰属のステップ
① 相続人がいないことの確認
法定相続人がいない、または全員が放棄しているケースなどです
② 家庭裁判所が「相続財産管理人(または清算人)」を選任
相続財産清算人(または管理人)は、被相続人(亡くなった人)の債権者などに対して債務を支払うなど、遺産の清算を行います。その清算後に残った財産を国庫に帰属させる役割を担う人のことです。
主に利害関係がある人や検察官の申し立てで、以下のような手続きを経て、「相続財産管理人」が選ばれます。
③ 公告により相続人・債権者を探す(通常6か月以上)
官報などで公告を出し、名乗り出を待ちます。
④ 特別縁故者への分与
相続人がいなければ、被相続人と関係の深い人(友人・介護者など)が申し立て可能です。
⑤ 残余財産が国庫に帰属
分与後も残った財産がある場合、最終的に国のものとなります。
このように、いきなり国に渡るわけではなく、法的手続きを経て「最終的に」国の財産となる仕組みです。
