10月15日は年金支給日でした。厚生年金や国民年金は一人ひとり受給額が異なり、一定の基準額以下の方には「年金生活者支援給付金」が年金に上乗せされて支給されます。
年金生活者支援給付金は、受給している基礎年金により金額が異なりますが、例えば老齢年金生活者支援給付金の対象者には最大月額5450円が支給されます。
本記事では、年金生活者支援給付金の支給対象者を確認するとともに、次回の年金支給日となる12月15日に「夫婦合計で2万1800円」年金生活者支援給付金が支給されるケースについて解説していきます。
1. 年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金とは、年金収入やその他所得の合計額が一定基準額以下の方に、年金に上乗せして支給される給付金です。
低所得の年金生活者の生活支援を目的としており、その財源は消費税率の引き上げ分が充てられています。
支給日は、年金と同じく年6回、偶数月の原則として15日です。
前月と前々月分がまとめて当月に支給されます。なお、給付額は年金と同様に、毎年度見直しが行われています。
年金生活者支援給付金は、受給している基礎年金の種類によって、以下の3つの種類に分かれます。
- 老齢基礎年金受給者:老齢年金生活者支援給付金
- 障害基礎年金受給者:障害年金生活者支援給付金
- 遺族基礎年金受給者:遺族年金生活者支援給付金
それぞれの年金生活者支援給付金ごとに、支給要件や支給額が決められています。
また、年金生活者支援給付金は世帯単位ではなく個人ごとに判断されるため、夫婦それぞれが要件に該当する場合、二人とも受給できることになります。
では、年金支給日に「夫婦合計で2万1800円」支給されるのはどのようなケースなのか、次章で確認していきましょう。
2. 年金支給日に「夫婦合計で2万1800円」年金生活者支援給付金が支給されるケースとは?
年金支給日に年金生活者支援給付金を夫婦で合計2万1800円受け取れるケースを解説する前に、まずは3つの年金生活者支援給付金の支給額を確認しましょう。
2.1 年金生活者支援給付金の支給額(給付基準額)
老齢年金生活者支援給付金・障害年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金の支給額(給付基準額)は、それぞれ以下の通りです。
【年金生活者支援給付金の種類/令和7年度支給額(前年度比)】
- 老齢年金生活者支援給付金/5450円(+140円)
- 障害年金生活者支援給付金(1級)/6813円(+175円)
- 〃 (2級)/5450円+140円)
- 遺族年金生活者支援給付金/5450円(+140円)
老齢年金生活者支援給付金・障害年金生活者支援給付金(2級)・遺族年金生活者支援給付金は月額5450円、障害年金生活者支援給付金(1級)は月額6813円です。
なお、令和7年度の支給額は、物価変動により令和6年度より2.7%増額されています。
ただし、これらの金額はあくまでも基準額とされ、実際の支給金額は保険料納付済期間や免除期間などによって調整されます。
2.2 夫婦共に要件を満たせば「偶数月に合計2万1800円が支給される」ケースも
ここまでの内容をもとに、年金支給日に年金生活者支援給付金を夫婦で合計2万1800円受け取れるケースを考えてみましょう。
夫婦共に老齢年金生活者支援給付金の支給要件に該当すれば、それぞれが受給可能なため、月額では最大1万900円(5450円×2人分)が受け取れます。
先にも触れたように、年金は偶数月に、前月と前々月分をまとめた2ヵ月分が支給されます。
つまり、12月15日に振り込まれる老齢年金生活者支援給付金は、10月分と11月分の2ヵ月分ということです。
夫婦で1ヵ月最大1万900円が支給され、支給日には2ヵ月分がまとめて振り込まれるため、合計で最大2万1800円支給できる可能性があるということになります。
年金や所得が一定基準額以下となる世帯に、夫婦合わせて「2万1800円の年金生活者支援給付金」が年金に上乗せして支給されると、生活費の負担が軽減されることが期待できます。
では、年金生活者支援給付金はどのような場合に支給されるのか、要件を確認していきましょう。
3. 年金生活者支援給付金が支給されるのはどんな人?
老齢年金生活者支援給付金・障害年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金はそれぞれ、受給できる人が決められています。
それぞれの支給要件は次の通りです。
3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件
老齢年金生活者支援給付金が支給されるのは、以下の要件をすべて満たす方です。
- 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
- 世帯全員の市町村民税が非課税である
- 前年の公的年金収入金額(※)とその他の所得との合計額が次の金額以下である
・1956年4月2日以降生まれ:90万9000円以下
・1956年4月1日以前生まれ:90万6700円以下
※障害年金・遺族年金などの非課税収入は含みません
【補足的老齢年金生活者支援給付金】
前年の所得の合計額が次の金額以下の方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
- 1956年4月2日以降生まれ:80万9000円を超え90万9000円以下
- 1956年4月1日以前生まれ:80万6700円を超え90万6700円以下
老齢年金生活者支援給付金は、基準となる所得額を少額でも超えてしまうと支給対象から外れてしまいます。
そのため、所得基準額を少し超えてしまう方よりも、老齢年金生活者支援給付金を受給する方の方が、結果として所得が多くなるケースがあります。
このような状況を解消するために「補足的老齢年金生活者支援給付金」が設けられています。
3.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件
障害年金生活者支援給付金を受け取れるのは、以下の要件をいずれも満たしている方です。
- 障害基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※1)が479万4000円以下(※2)である
※1障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まない
※2扶養親族等の数に応じて増額
3.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件
遺族年金生活者支援給付金が支給されるのは、次の要件をいずれも満たす方です。
- 遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※1)が479万4000円以下(※2)である
※1障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まない
※2扶養親族等の数に応じて増額
4. まとめ
年金収入などが一定金額以下の場合、年金生活者支援給付金が年金に上乗せ支給されます。
老齢年金生活者支援給付金の場合、月額最大5450円が支給されるため、年金支給日には2ヵ月分まとめて最大1万900円の受給が可能です。
年金生活者支援給付金の支給対象者になるかどうかは個人ごとに判断され、夫婦ともに受給されるケースもあり、年金支給日に2人で最大2万1800円が受給できる可能性もあります。
先の見えない物価高の中で、所得が一定基準額以下となる年金生活世帯にとって少しでもプラスになることが期待されます。
ただし、申請しないともらえない給付金となっていますので「請求手続き」を忘れずに行いましょう。
参考資料
木内 菜穂子