2.2 還暦以降の就労意向「60歳以降も働きたい?」
次に、還暦以降の就労意向を見てみましょう。
同調査では、59歳時点で就労をしている・していた人(1486名)に還暦以降の就労意向をヒアリングしています。
60歳以降も働きたいと思っている人は、男性85.7%、女性89.0%、男女全体で87.1%となっています。
また、「60歳以降、何歳まで働きたいか」という問いに対して、65歳以上と回答した人は80.8%。
注目すべきは、このうち約半数に近い44.0%が「70歳以上まで働きたい」と回答した点です。
現行の公的年金(老齢年金)の受給開始は原則65歳ですが、この「区切り」をもって完全にリタイアしたいと考える人は少数派であり、多くの人が70歳代前半まで働くことを視野に入れていることがわかりました。
2.3 還暦以降も働きたいと思う理由は?
かつては、定年退職を迎えたあとは、公的年金を収入の柱として生活するのが一般的でした。
現代の還暦人は、なぜ60歳以降も働きたいと思うのでしょうか。
- 働かないと生活費が不足するから(56.6%)
- 健康を維持したいから(43.0%)
- その歳までは元気に働けると思うから(41.3%)
- 生きがい・やりがいがほしいから(32.1%)
- 人と関わりを持ちたいから(31.4%)
- 趣味やレジャーのためのお金が必要だから(30.6%)
60歳を過ぎても働きたいと思う理由は上記のとおり。
半数以上が「働かないと生活費が不足するから」と回答しています。
厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金を受給する高齢者世帯のうち、「公的年金・恩給」のみで全ての生活費をカバーできている世帯は43.4%にとどまります。
半数以上の高齢者世帯が、公的年金以外の資産や勤労収入により生活費を補填している状況です。
では、現在のシニア世代は年金を月どれくらい受けとっているのでしょうか。次章で確認していきます。


