今年のお盆休みは4年ぶりに行動制限がないこともあり、久しぶりに実家に帰省した方も多かったのではないでしょうか?

実家に戻り、家の状態を見たり親と話したりするなかで、その変化に驚き、不安を感じてしまった方もいるでしょう。

今回は「LIFULL 介護」を運営する株式会社LIFULL seniorが行った「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」より、家族が介護施設に入居した際のきっかけや、影響した認知症の症状を確認していきます。

また、介護施設で入居相談を担当していた筆者の経験談も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

【認知症×老人ホーム】介護施設へ入居するきっかけとなった状況「TOP3」

株式会社LIFULL seniorの調査より、まずは家族が介護施設へ入居するきっかけとなった状況の上位3つをみていきましょう。

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出所:株式会社LIFULL senior「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」(2023年8月3日公表)

出所:株式会社LIFULL senior「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」(2023年8月3日公表)

上位3つを見てみると、1位「認知症があった」(46.0%)、2位「認知症以外の疾患があった」(33.3%)、3位「入院していた」(29.6%)となっています。

では、介護施設入居に強く影響した認知症の症状とは、どのような症状だったのでしょうか。

【認知症×老人ホーム】介護施設の入居に影響した認知症の症状、第1位は「トイレのトラブル」

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出典:株式会社LIFULL senior「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」(2023年8月3日公表)

出典:株式会社LIFULL senior「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」(2023年8月3日公表)

先ほどの調査より「入居を考えるきっかけとして認知症があった」と回答した人に聞いた「入居のきっかけとなった認知症の症状」の上位3つをみてみましょう。

1位は「排せつの失敗をする」で32.3%、2位「お金の管理ができない」(29.0%)、3位「怒りっぽくなる、暴力をふるう」(18.2%)という結果でした。

認知症の症状が初期のうちは、介護サービスなどを利用しながら、さほど大きな負担を感じず在宅介護を続けることは十分可能です。しかし、認知症が進行すると在宅介護が難しくなる時期が訪れます。

今回の調査結果では、介護をする家族が限界を感じ、介護施設への入居を考えるきっかけになったTOP3が、認知症による「排せつの問題」「お金のトラブル」「怒りっぽくなる・暴力」だったことが明らかになりました。

【認知症×老人ホーム】介護施設入居のきっかけになった事例

筆者が、入居相談で関わったご家族のなかにも、認知症の進行により在宅介護の限界を感じて施設入居を決断される方が多くいました。その事例を紹介していきます。

入居のきっかけ1:排せつの問題

排せつの問題をきっかけに施設入居を決断したご家族の事例です。

・一人でトイレに行けなくなったため、夜中もトイレの付き添いで起きなければならなくなった

・汚した下着や紙パンツ、尿取りパットなどの処理ができなくなり、タンスに隠したり、トイレに流してトイレを詰まらせたりするようになった

・トイレの場所がわからない、あるいはトイレではない場所をトイレと思い込み、部屋の中や廊下で排せつをするようになった

・便を便として認識することが難しくなり、オムツの中に手を入れて便をいじって壁などになすりつける行為があった

このように「毎日排せつの介護に追われて疲れ果てた」「さすがにこれ以上は頑張れない」「介護と仕事の両立が難しくなった」と、在宅介護の限界を感じたため、施設入居を決断された方が多くいました。

入居のきっかけ2:お金のトラブル

続いて、認知症によるお金の問題をきっかけに、介護施設への入居を決めたご家族の事例を紹介します。

  • お金の計算ができなくなり、買い物に行けなくなった
  • 家族が気づいた時に多額の借金があった
  • 年金が支給されると全て引き出してお金を使い込んでしまう
  • 詐欺や、自宅に侵入されて金品などを盗まれる窃盗などの被害に遭った
  • お金や通帳の保管場所を忘れて「家族に盗られた」と思い込むようになった

とくに、高齢者が一人暮らしをしているケースで、お金に関するトラブルをきっかけに、施設入居を検討する方が多くみられました。

入居のきっかけ3:怒りっぽくなる・暴力

認知症になると、些細なことで怒りっぽくなったり、暴言や暴力の症状が現れたりする方もいます。

筆者が担当したケースでも「介護の疲れもあるなかで、毎日のように暴言を吐かれるとストレスがたまり、手が出そうになる‥」と在宅介護の限界を感じて、施設入居の相談に訪れたご家族がいました。

ただ、暴言や暴力のあるケースでは、ご本人の状態によっては、施設側の受け入れが難しく、入居前に担当医や心療内科・精神科等への受診を勧めることがあります。

「暴言や暴力があることを話すと、施設へ入れてもらえないかもしれない」と思う人もいるかもしれませんが、入居相談の際には、ご本人の状態を隠さず伝えるようにしてください。

介護施設は共同生活の場であるため、他の入居者に迷惑をかけてしまうほどの暴力・暴言がある場合は、施設側から退去を求められる可能性があります。このことは、入居時の契約書や重要事項説明書に記載されているので、よく確認しておきましょう。

在宅介護の限界が来てからでは遅い!余裕があるうちに施設探しを

認知症は進行性の病気のため、症状が進めばどうしてもご本人の命や安全を守るために、施設への入居が必要となるケースがあります。

施設入居は、家族の負担が軽減するだけでなく、介護されるご本人にとっても、介護のプロからケアを受けることで症状が改善するなど、良い影響をもたらすケースも多くみられます。

なお、在宅介護の限界を迎えてから施設探しを始めても、すぐに入居できる施設が見つかるとは限りません。施設探しは、余裕があるうちに始めることをおすすめします。

参考資料

株式会社LIFULL senior「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」(PR TIMES)

 

 

中谷 ミホ