特別養護老人ホーム(特養)は、要介護3以上(特例の場合は要介護1・2)の高齢者が入所できる介護施設です。

民間よりも費用が安いうえに、一度入所すると終身で利用できるため、入所希望者が非常に多く、何年も待機する人が少なくありません。

しかし、特養に早く入るためにはコツがあり、このコツを活用すれば待機期間を短縮できるかもしれません。

そこで、今回は特養の入所待機者に関するデータを見るとともに、特養に早く入所するために知っておきたい5つのコツを紹介します。

特別養護老人ホーム(特養)入所の「待機事情」

特別養護老人ホーム(特養)の入所待機者はどれほどいるのか

出所:厚生労働省「厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)」

厚生労働省の調査によると、特養の待機者は、2022年4月時点で約25万3000人(※)です。前回2019年の調査が約29万2000人であったため、待機者数は減少傾向にあります。

しかし、特養の入所を待っている人が多いことは変わりありません。

※申込者のうち、要介護3以上の人。

特別養護老人ホーム(特養)入所までの待機期間はどのくらいか

以下はやや古いデータとなりますが、一般財団法人日本総合研究所の調査による、特養入所申し込みから入所までに要した期間です。

出所:一般財団法人日本総合研究所「特別養護老人ホームの入所申込者の 実態把握に関する調査研究」 

  • 3カ月未満:22.4%
  • 3~6カ月未満:19.8%
  • 6カ月~1年未満:21.9%
  • 1~2年未満:17.9%
  • 2~3年未満:8.8%
  • 3~4年未満:4.5%
  • 4~5年未満:2.2%
  • 5年以上:2.4%

入所までの待機期間が3カ月未満の方は22.4%。一方、1年以上かかる方は35.8%にのぼります。また3年以上かかった人は9.1%、全体のほぼ1割ですね。

この結果からも分かるように、在宅介護が困難になったタイミングで特養へ入所の申し込みをしても、すぐに入所できる可能性は低いでしょう。

しかし、次に紹介する5つのポイントを押さえれば、特養の待機期間を縮められるかもしれません。