公的な支援制度や給付金は「自分には関係ない」「条件が厳しそう」と思われがちですが、実は住民税が課税されている世帯でも申請できる制度が数多く存在します。
ただし、その多くは自ら手続きをしなければ受け取れない「申請主義」の仕組みになっています。
本記事では、条件を満たす間くり返し受け取れる制度5つ、まとまった額が一度に入る制度4つ、そして保険料や税金の支払いそのものを軽くする減免制度3つを、順に確認していきます。
給付金や手当のほとんどは、自分で申請しない限り自動では振り込まれません。
まずはどんな制度があるのかを一通り眺めて、ご自身に当てはまりそうなものを見つけるところから始めてみてください。
1. 定期的に受け取れるお金5つ。児童手当・傷病手当金・失業給付など
はじめに、条件を満たしている間は繰り返し受け取れるタイプの制度を5つ取り上げます。
1.1 児童手当
児童手当は、高校卒業にあたる年度末(3月31日)までの子どもを養育している世帯が対象となる手当です。
受け取れる金額は、子どもの年齢と人数によって変わります。
【児童手当の支給額(一人あたりの月額)】
- 3歳未満:1万5000円(第3子以降は3万円)
- 3歳以上 高校生年代まで:1万円(第3子以降は3万円)
受け取るには、出生日の翌日から15日以内に住民票のある市区町村で手続きを済ませる必要があります。この期限を過ぎると、原則として遅れた月の分はさかのぼって支給されません。
1.2 傷病手当金
傷病手当金は、仕事以外が原因の病気やケガで働けなくなり、その間の給与が出ないときに、被保険者の暮らしを支えるために設けられた制度です。
金額は、支給が始まる日より前の12か月間の標準報酬月額を平均し、そこから求めた日額のおよそ3分の2が目安です。
たとえば標準報酬月額が3月から8月まで16万円、9月から2月まで18万円だった場合、平均は17万円です。これをもとに計算すると、1日あたりの支給額は約3780円になります。
対象になるのは、連続して3日間休んだあと、4日目以降も働けない状態が続いたときです。休んだ日数に応じて支払われます。
受け取れる期間は、支給が始まった日から通算で1年6か月までとなっています。
ただし、休んでいる間に勤務先から傷病手当金を超える給与が出ているときは、対象外になります。
1.3 失業給付(基本手当)
失業給付(基本手当)は、雇用保険の被保険者だった人が、定年や倒産、契約期間の満了などで職を離れたときに受け取れる給付です。
受け取る条件は、ハローワークで求職を申し込んだうえで、働く意思と能力があるのに就職できていない「失業の状態」にあることです。
金額は、離職前6か月の賃金(賞与は除く)を合計して180で割った賃金日額が基準です。その約50~80%(※60~64歳は45~80%)が基本手当日額になります。
1.4 介護休業給付金
介護休業給付金は、雇用保険に加入している人が、配偶者や父母、子どもといった家族の介護のために介護休業を取ったときに支給されます。
休業で収入が減る間の生活を支えるための仕組みで、定められた条件を満たせば受け取れます。
金額は休業を始めた時点の賃金日額をもとに計算し、原則としてその約67%が支払われます。
支給の対象になる期間は家族1人につき通算93日までで、介護休業は最大3回に分けて取ることもできます。
1.5 児童扶養手当
児童扶養手当は、ひとり親世帯の暮らしを支え、経済的な自立を後押しするために設けられた手当です。
2026年4月分からの支給額は、受給する人の所得と子どもの人数によって段階的に決まります。
【子どもの人数:全部支給/一部支給】
- 1人:4万8050円/4万8040円~1万1340円
- 2人目以降(1人につき):1万1350円/1万1340円~5680円
受給の条件や世帯の状況によって用意する書類が変わるため、事前に窓口で確かめておくと手続きがスムーズです。
2. まとまった額が一度に入るお金4つ。再就職手当・出産育児一時金など
ここからは、条件に当てはまったときに一度でまとまった額を受け取れる制度を4つ見ていきます。
2.1 再就職手当
再就職手当は、基本手当の受給資格を持つ人が早い段階で安定した職に就いたり、事業を始めたりしたときに受け取れる一時金です。
金額は、再就職した時点で残っている基本手当の支給日数から計算します。再就職が早いほど給付率は高くなります。
働き始めたあとの生活費の不安を和らげてくれる制度なので、内容を押さえておきましょう。
2.2 出産育児一時金 / 出産手当金
出産育児一時金は、公的医療保険の加入者が出産したときに、子ども1人につき原則50万円が保険者から支払われる制度です。
受け取るには申請書などの書類を提出する必要があり、期限は出産日の翌日から2年以内です。
これに対して出産手当金は、出産で仕事を休み、その間の収入が途切れるときの生活を支えるための給付です。
産前と産後に分けて申請することもでき、金額は出産前の標準報酬日額のおおよそ3分の2が目安になります。
2.3 住居確保給付金
住居確保給付金は、離職や収入減で住まいを失いそうな人の家賃負担を軽くするための制度です。
世帯の生計を主に支える人が離職・廃業から2年以内であるケースや、自分の責任によらず収入が離職時と同じ水準まで減っているケースなどが対象です。
金額は市区町村ごとの上限額(生活保護制度の住宅扶助額)が基準で、実際の家賃の範囲内を原則3か月間受け取れます。
細かい要件や金額は自治体によって違うので、詳しくは市区町村の窓口で確認してください。
2.4 災害見舞金
災害見舞金は、地震や台風、火災などで住宅や家財に被害を受けた世帯の生活再建を支える目的で支給されます。
金額は被害の程度と自治体ごとの制度によって変わり、住宅の全壊や半壊といった状況に応じて設定されています。
一例として、東京都港区では二人以上世帯に向けた災害見舞金が次の基準で定められています。
- 住宅・家財などの全壊、全焼、流失:7万円
- 住宅・家財などの半壊、半焼:5万円
- 住宅などの床上浸水:5万円
- 住宅・家財などに相当額以上の被害を受けた場合:5万円
- 傷害(1人につき):4万円
- 死亡(1人につき):12万円
実施しているのは多くの場合市区町村で、被害状況の確認を受けてから申請することで支給されます。
