5. 出産費用への効果的な備え方

妊娠・出産には何かとお金がかかります。ここからは、出産にかかる費用への賢い備え方について、プロが解説していきます。

5.1 民間医療保険の活用

異常妊娠・異常分娩に手厚く備えたい方には、女性向け医療保険の加入をおすすめします。特に以下のような方に適しています。

  • 妊娠・出産時のトラブルに備えたい方
  • 入院時に個室での療養を希望する方
  • 差額ベッド代や食費などの追加費用に対応したい方

女性特約を付加することで、通常の医療保険に上乗せして給付金を受け取ることも可能です。

ただし妊娠中の保険加入では今回の妊娠・出産が保障対象外となる可能性があるため、妊娠前に加入しておきましょう。

5.2 公的制度の有効活用

出産費用の負担を軽減するため、以下の公的制度を活用しましょう。

6. 利用可能な公的制度一覧

出産時に利用できる公的制度はいくつかあります。公的制度のことを知らずに、申請しないままになってしまわないよう、事前に確認しておきましょう。

6.1 出産育児一時金

  • 支給額:50万円(産科医療補償制度加入の医療機関・妊娠22週以上)、48.8万円(その他)
  • 対象:妊娠4カ月以上の出産
  • 申請先:加入中の健康保険組合

6.2 出産手当金

  • 支給額:標準報酬月額の3分の2
  • 対象期間:出産前42日(多胎妊娠は98日)から産後56日まで
  • 対象者:会社員の女性

6.3 育児休業給付金

  • 支給額:給与の67%(180日後は50%)
  • 対象期間:子が1歳になるまで(最大2歳まで延長可能)
  • 対象者:雇用保険被保険者

6.4 高額療養費制度

異常分娩で医療費が高額になった場合、月額上限額を超えた分が還付されます。上限額は年齢・収入により異なるため、事前確認が重要です。

6.5 医療費控除

年間医療費が10万円を超えた場合、確定申告により税額控除を受けられます。出産費用以外の医療費も合算可能です。

7. まとめ

会陰切開の保険適用は正常分娩か異常分娩かによって大きく異なり、異常分娩の場合は公的医療保険・民間医療保険ともに適用される可能性があります。

出産には平均48万円程度の費用がかかりますが、出産育児一時金をはじめとする公的制度を活用することで負担を軽減できます。妊娠・出産時のトラブルに備えたい方は、女性向け医療保険への加入を検討し、公的制度と組み合わせることで安心して出産に臨むことができるでしょう。

現在医療保険に加入している方で異常分娩を経験された場合は、給付金請求の可能性について保険会社に確認することをおすすめします。

参考資料

ほけんのコスパ編集部