3. 出産にかかる費用の実態

出産にはまとまった費用が必要になります。ここからは、正常分娩と異常分娩の場合でどれくらいの費用がかかるのかを見ていきましょう。

3.1 正常分娩の費用

2022年度の統計では、正常分娩にかかる費用の平均は48万2294円となっています。

この金額は毎年1%前後の増加傾向にあり、水道光熱費や医療機器の高騰、人件費の上昇などが要因となっています。全体の44.5%の医療機関が出産費用を増額しており、今後も上昇が予想されます。

正常分娩は公的医療保険の適用外となるため全額自己負担となりますが、出産育児一時金などの公的制度で費用をまかなうのが一般的です。

3.2 異常分娩の費用

異常分娩では公的医療保険が適用されるため医療費の自己負担額は正常分娩よりもやや低くなる傾向があります。

ただし切迫早産や妊娠高血圧症候群など合併症がある場合、入院期間の延長により総費用が増加する可能性があります。

帝王切開での出産では、通常の自然分娩よりも入院期間が長くなるため、その分の入院費用も考慮する必要があります。

4. 医療保険の給付金請求手順

異常妊娠・異常分娩で医療保険の給付金請求をする際、どのような手順を踏めばよいでしょうか。ここからは、保険のプロが医療保険の給付金請求方法について詳しく解説します。

4.1 請求手続きの流れ

異常妊娠・異常分娩で医療保険の給付金を請求する際の手順は以下の通りです。

  1. 保険会社への連絡:出産後または事前に予定が決まっている場合は出産前に連絡
  2. 必要書類の準備:保険会社から案内される書類を揃えて返送
  3. 審査期間:通常1~2週間程度で審査が完了
  4. 給付金の受取:審査完了後、指定口座に入金

最近では電話だけでなく、公式サイトやアプリから手続きができる保険会社も増えており、利便性が向上しています。