紅葉が盛りを迎え、澄み切った秋空の下に冬の足音が静かに近づいてきました。

2024年に実施された「定額減税」は多くの納税者の税負担を軽減しましたが、所得税や住民税の税額が少なかったり非課税だったりした世帯では、その恩恵を十分に受けられなかったケースもあります。

この減税しきれない不足分を補うために、支給されるのが「定額減税補足給付金(不足額給付)」です。

多くの自治体では、すでに支給対象者への通知書の発送が進められており、申請不要で自動的に振り込まれる方もいます。

しかし、すべての方が手続き不要とは限らず、通知書の確認や申請書類の提出が必要になるケースもあるため、届いた書類の内容を確認することが求められます。

本記事では、定額減税の不足分を補うこの不足額給付の具体的な仕組みを解説します。

支給が発生する主な2つのケースや、受け取れる金額の目安に焦点を当ててわかりやすく解説します。

※自治体によって対象やスケジュールが異なるケースがあります。必ずお住まいの情報をご確認ください。LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

1. 【支給要件を見る】「定額減税補足給付金(不足額給付)」とは?

2024年に実施された「定額減税」では、給与所得者や年金受給者など、幅広い層を対象に、1人あたり所得税3万円、住民税1万円の合計4万円が控除されました。

ただし、この制度は現金で支給されるのではなく税額控除として実施されたため、収入や課税状況によって減税の恩恵には差が生じています。

2024年に実施された定額減税《所得税》

2024年に実施された定額減税《所得税》

出所:国税庁「令和6年分所得税の定額減税のしかた」

定額減税の効果を十分に受けられなかった世帯には、「定額減税補足給付金(不足額給付)」が支給されます。

この不足額給付は、発生の要因によって「不足額給付Ⅰ」と「不足額給付Ⅱ」の2種類に分けられます。

1.1 「不足額給付Ⅰ」の支給要件は?

「不足額給付Ⅰ」は、当初の想定よりも実際の減税額が少なかった場合に支給対象となります。

具体的には、次のようなケースが該当します。

  • 税務処理の修正(更正)で住民税所得割額が減少した
  • 扶養親族が追加され、税額が軽減された
  • 2024年の所得が減少し、想定より所得税額が小さくなった 等

この場合、「本来受けられる減税額」と「すでに支給された調整給付額」の差額分が、不足額給付として支給されます。