4. 高額療養費、制度を知ることが「安心への第一歩」

高額療養費制度は、急な病気やけがの際に、生活を守るための大切な支えです。制度改定の動きは今後も続きますが、方向性は「持続可能な社会保障」と「すべての世代が安心できるしくみ」の両立を目指すものです。

ただし、高額療養費制度で自己負担限度額の対象となるのは、公的医療保険が適用される診療にかかる費用のみです。自由診療、差額ベッド代、先進医療にかかる費用、入院中の食事代や居住費などは対象となりません。特に、差額ベッド代や先進医療にかかる費用は、費用の負担が大きくなりやすい要素です。

医療費の自己負担がどのくらいで済むのか、自分や家族の所得区分、加入している保険制度を把握しておくことが、将来への備えにつながります。公的な保障で不足を感じる方は、民間の医療保険をもつことも検討に入れると良いでしょう。

「制度を正しく理解し、上限額や申請方法を知っておく」それが、医療費が上がる時代を生きる私たちの暮らしの安心につながるはずです。

参考資料

村岸 理美