3. 高額療養費、「知っておきたい3つの重要ポイント」
高額療養費制度の恩恵を最大限に受けるためには、いくつかの重要なしくみを知っておく必要があります。特に、長期治療や家族での受診が重なった際に、家計を大きく守ってくれる3つのポイントをチェックしておきましょう。
3.1 ①多数該当のしくみ
過去12か月以内に3回以上、自己負担限度額に達した場合、4回目以降は上限額がさらに下がります。長期治療を続ける人の家計を守るしくみです。
3.2 ②世帯合算のしくみ
一人分の窓口負担では上限額を超えない場合でも、同じ医療保険に加入している同一世帯の方々の自己負担額を1か月単位で合算することができます。その合算額が自己負担限度額を超えたときは、超えた分が高額療養費として支給されます。
これは、家族の治療が重なったときに家計の負担を軽減してくれる制度です。ただし、注意点として69歳以下の方の受診については、合算できるのは2万1000円以上の自己負担分のみとなります。
3.3 ③ 外来特例のしくみ(70歳以上の一般所得層・所得の少ない層)
現役並み所得者を除いた70歳以上の一般所得層や所得の少ない層には、外来医療(通院)の上限が個人ごとに設けられています。一般所得層では月1万8000円、年間で14万4000円が上限です。見直し案では段階的な引き上げが予定されていましたが、現時点では現行のまま継続されています。