もうすぐ10月15日の年金支給日がやってきます。
年金は2ヶ月分が一度に支給されるため、ある程度まとまった金額になることもありますが、個人差が大きいのが実情です。
実際、公的年金の水準は3年連続で増加しているものの、「年金だけで」生活している高齢者世帯は半数にも届きません。
公的年金の実情をくわしく見ていきましょう。
1. 【厚生年金と国民年金】3年連続の増加
厚生労働省では、毎年1月に翌年度の年金額を公表しています。
ここ3年は「賃金変動率」や「物価変動率」などを受け、ずっと増加傾向が続いています。
しかし、マクロ調整スライド調整により、実質的には目減りとなっているのが現実です。
マクロ調整スライド調整とは、「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみのことです。
物価上昇ほどには年金が増加していないため、増えた分だけ生活に余裕が出るというわけにはいきません。
では、年金だけで生活している高齢者世帯はどれほどいるのでしょうか。