4. 新NISAはこれからどうなる?さらなる拡充に期待!
2025年8月29日に公表された金融庁の「令和8年度 税制改正要望項目」では、新NISAのさらなる拡充に関する要望がまとめられています。
その目的は、若年層から高齢層まで、すべての世代が長期的かつ安定的に資産形成を行えるよう支援することにあります。
具体的には、幅広い世代が自分のライフプランに合わせて資産づくりができるよう、対象商品の拡充などを求める内容となっています。
また、こども支援の一環として、つみたて投資枠の対象年齢などの見直し(こども家庭庁との共同要望)や、非課税保有限度額の当年中の復活(投資商品の入れ替えを容易にするため)も盛り込まれています。
現行制度では、非課税保有期間は無期限、年間投資枠は成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円で、非課税保有限度額は1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)とされています。
今後は、世代を問わずより柔軟で持続的な資産形成ができるよう、NISAの制度拡充や非課税枠の再利用など、さらなる改善への期待が高まっています。
5. 家計やライフスタイル、資産全体のバランスを踏まえたうえで資産形成を
本記事では、新NISA制度の「つみたて投資枠」と「成長投資枠」について解説してきました。
年間投資額の上限や、選択できる投資先にも違いがありますので、どちらもうまく併用していけるとよいですね。
ただし、資産運用には価格変動リスクなどが伴います。
必ずしも右肩上がりで確実に増えるものではなく、増えたり減ったりといった価格変動を繰り返しながら資産形成を目指していくものです。
経済情勢や市場の動向などに着目しながら、価格が下落局面に来た時に、しっかりと耐えられるように資産の分散を意識しておきたいものです。
また、ご自身の家計の生活費から資産運用へお金を回すのではなく、余剰資金を用いて検討することも大切です。
家計やライフスタイル、資産全体のバランスをよく確認し、ご自身のリスク許容度も踏まえたうえで新NISAの活用について考えましょう。

