子供の教育資金は「人生の三大支出」のひとつともいわれるほど大きな支出です。短期間にまとまった支払いが続くことも多く、計画的に資金を準備しておくことが求められます。

教育ローンや奨学金を利用する方法もありますが、祖父母などからサポートを受けられる家庭では非課税制度を活用することもひとつの方法です。ここでは、教育資金の一括贈与に関する非課税制度について概要や注意点を解説します。

1. 大学の初年度費用、「国公立と私立で平均はいくら?」

家計にとって大きな支出となる子供の教育資金ですが、具体的にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。大学進学にかかる費用は、国公立大学と私立大学によって大きく異なります。

1.1 《国公立大学》初年度に約80~90万円がかかる

文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」によると、2023年度における大学初年度にかかる費用は下記の通りです。

  • 国立大学:81万7800円
  • 公立大学:91万562円

上記額は授業料と入学料の合計額です。国立大学では文部科学省によって授業料や入学料の標準額が定められていますので、およそ費用の目安がつきやすいといえるでしょう。

とはいえ、親元を離れて一人暮らしをする場合などはこの費用のほかに仕送り費用も発生することを考慮しなければなりません。

1.2 《私立大学》学部によって初年度500万円近くなることも

文部科学省の「令和5年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、大学入学初年度にかかる平均額は下記の通りです。

  • 文科系学部:119万4841円
  • 理科系学部:153万451円
  • 医歯系学部:482万1704円
  • その他学部:146万542円
  • 全平均:136万5281円

理科系・医歯系学部では特に費用が高額になりやすく、医歯系学部では初年度に500万円近い費用がかかる結果となっています。私立大学の学費は年々増加傾向にありますので、計画的に準備しておくことが重要です。