4. 新NISAでの資産運用!考えておきたい「売却のポイント」
新NISAを活用して積立投資を行う際、売却のタイミングも非常に重要です。ここからは、売却のタイミングを考える上で大切なポイントをお伝えしていきます。
4.1 「積立終了=売却」ではない
新NISA制度では、非課税で投資できる金額に「非課税保有限度額(上限)」として1800万円が設定されています。この上限に達すると、新NISA口座で新たな資金を使って積立や買付を追加することは一時的にできなくなります。
ただし、ここで注意したいのは「積立ができなくなる」ことと「運用を終了する」ことは別の話だという点です。
上限に達したからといって、すぐに保有資産を売却する必要はありません。上限に到達しても、すでに保有している資産はそのまま新NISA口座内で非課税のまま保有・運用を続けられます。たとえば、その後に投資商品が値上がりした場合、その利益もすべて非課税です。
特に、相場が一時的に下落しているような局面では、慌てて売却せず、新NISA口座内で引き続き運用を続ける判断も有効です。
4.2 目標額を決めておく
投資商品の価値は、日々絶えず変動します。その値動きに一喜一憂していると、「もっと上がるかも」「これ以上下がったらどうしよう」という感情に振り回され、最適な売却タイミングを見失いがちです。
後悔しない投資を実現するために不可欠なのが、最初に明確な「ゴール」を設定しておくことです。
「なんのために」「いつまでに」「いくら」という、目標とするゴールを明確にしておくことで、感情に左右されない合理的な判断ができるようになります。
例えば、予定していた積立が終わった時、目標額に到達していれば、売却して利益を確定する選択ができます。一方、目標額に届いていない場合でも、焦らずに「もう少し待とう」という判断を冷静に行えます。
効果的なゴール設定のコツは、「いつまでに」を、最終期限ではなく「いつからいつくらいまで」という幅を持たせた時間枠を設定することです。
柔軟な期間にしておくことにより、状況を見ながら最適なタイミングで売却することが可能になります。
5. まとめ
今回のシミュレーションは、月10万円の積立が、年利2%でも15年後には2000万円を超える資産へと成長する可能性があるという、積立投資の力強い未来を示してくれました。
もちろん、利回りが変われば利益は大きく変動しますし、資産運用にはリスクも伴うため、その最終的な数字を正確に予測することは誰にもできません。
しかし、新NISAでの資産運用で本当に大切なのは、予測不能な利回りを追いかけることではありません。その本質は「長期・積立・分散」という積立投資の原則を守り、リスクを抑えて目標額までの投資を達成させることにあります。
市場の変動に一喜一憂せずにコツコツと投資を継続し、自身のライフプランに沿った目標額を達成させるための売却タイミングを考えること。それらのポイントが、投資の成功を左右させる大きな鍵となります。
本記事を参考に、ぜひ将来のための資産形成の第一歩を踏み出してみてください。
参考資料
斎藤 彩菜