爽やかな風が吹き、外出が気持ちの良い季節となった10月。この時期は、身の回りの手続きや備えを見直すのに最適です。

さて、公的な手続きといえばマイナンバーカードですが、「10年ごとに更新」と思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし実際には、カード発行から5回目の誕生日に「更新」の案内が届きます。

これはカード本体ではなく、カードに搭載された「電子証明書」の有効期限が5年と定められているためです。

本記事では、マイナンバーカード更新の仕組みや手続き方法、更新を怠った場合どうなるかという気になる影響についても解説します。

1. なぜ「5回目の誕生日」に更新案内が届くのか?

マイナンバーカード本体の有効期限は 成人であれば原則10年(未成年は5年)とされています。

しかし、カードに搭載されている 電子証明書(利用者証明用電子証明書・署名用電子証明書)にはセキュリティを確保するための制限があり、発行から5年で失効する仕組みになっています。

この電子証明書は、確定申告での電子申請(e-Tax)、マイナポータルの利用、コンビニでの住民票や戸籍証明書交付といった便利なサービスを使うために必須の機能です。

そのため、カード本体は10年使える一方で、電子証明書は 「5年ごとに更新」 が必要になるのです。

「5回目の誕生日に更新案内が届く」のも、証明書の有効期限が「発行から5回目の誕生日」までと決まっているためであり、制度上の仕組みに基づいた通知なのです。

2. 【要注意】更新しないと使えない「便利な機能」3選

もし電子証明書を更新しないまま放置した場合、カード自体は「顔写真付きの本人確認書類」として使い続けることができます。銀行口座の開設や携帯電話の契約など、身分証明書としての役割には問題ありません。

ただし、電子証明書が失効すると、

  • e-Taxを利用したオンライン確定申告
  • マイナポータルへのログイン
  • コンビニ交付サービスでの証明書取得

といった マイナンバーカードの「便利な機能」 が一切使えなくなります。

特に確定申告を毎年オンラインで行っている方や、役所に行かずに住民票を取りたいと考えている方にとっては、更新を怠ると利便性が大幅に低下することになります。

2.1 電子証明書失効時のマイナ保険証利用

マイナンバーカードを保険証として使う「マイナ保険証」の運用もはじまっています。では先述した電子証明書失効時のマイナ保険証の運用はどうなるのでしょうか?

マイナ保険証としての基本利用は可能

電子証明書の失効は、カード内の署名用・利用者証明用証明書の有効期限に関わるものであり、カードそのものは有効です。

そのため、医療機関での本人確認や健康保険証としての資格確認は通常どおり可能です。

オンライン機能・便利機能は制限される

ただし、マイナ保険証の「オンライン資格確認」や「薬剤情報・特定健診情報のマイナポータル連携」といった 電子証明書を使う機能 は利用できなくなります。

具体的には、病院でカードをかざして即座に診療情報を確認する、あるいはオンラインで事前登録している情報にアクセスする、といった機能が使えなくなります。

回避策

電子証明書を更新するか、医療機関での受付時に旧来の健康保険証や身分証明書を提示することで、診療自体は受けられます。

ただし、オンライン連携やコンビニ交付の利便性は損なわれてしまうので要注意です。

3. 【電子証明書の更新】更新手続きの流れ

この章では、電子証明書の更新手続きについて解説していきます。

3.1 更新案内の確認

有効期限が近づくと、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から「電子証明書有効期限通知書」が送付されます。
通知書には、期限日や手続きに必要な情報が記載されています。

3.2 必要書類の準備  

  • マイナンバーカード
  • 通知書(送付された場合)
  • 代理人が手続きを行う場合は、委任状と代理人の本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)

3.3 窓口での手続き  

お住まいの市区町村の役所窓口(マイナンバーカード担当窓口)で行います。

3.4 手続き内容

窓口でマイナンバーカードを提示し、電子証明書の更新を申請します。新しい電子証明書はICチップにその場で書き込まれます。

更新時に、電子証明書の暗証番号(4桁または英数字6〜16桁)を再設定します。以前と同じ暗証番号も使用可能です。

3.5 注意点

電子証明書には「署名用電子証明書」(英数字6〜16桁の暗証番号)と「利用者証明用電子証明書」(4桁の暗証番号)の2種類があります。

用途に応じて、どちらか一方または両方を更新します。また、暗証番号を忘れた場合、窓口でリセット・再設定が可能です。

所要時間は混雑していなければ20〜30分程度で済むケースが多く、住民票などを取得する手続きと比べてもそれほど大きな負担はありません。

3.6 オンラインで申請はできる?

電子証明書(署名用電子証明書・利用者証明用電子証明書)の更新

電子証明書(署名用電子証明書・利用者証明用電子証明書)の更新は、マイナンバーカードのICチップに新しい証明書を直接書き込む必要があるため、オンラインでは完結しません。

市区町村又は市区町村が指定する郵便局の窓口での手続きが必須です。

一部の自治体では、スマートフォンやパソコンを使って事前に予約や必要情報の入力を行うシステムを導入している場合がありますが、実際の更新作業(証明書の書き込みや暗証番号の設定)は窓口で行います。

マイナンバーカード自体の更新

一方、マイナンバーカード自体の更新(有効期限は発行から10年、20歳未満は5年)は、インターネット(オンライン)での申請が可能です。

具体的には、申請書類の提出や顔写真のアップロードをインターネット経由で行えます。

ただし、新しいカードの受け取りは窓口での対応が必要です。セキュリティ上の理由から市区町村の窓口で本人が行う必要があるからです。

4. 更新の「最大の壁」はどこ?負担感を減らす対策を講じる自治体も

マイナンバーカードの電子証明書更新は、手続きの性質上「役所に行く必要がある」という点が最大の負担といえます。

ただし、総務省の調査によれば、2025年度時点でカードの交付率は約80%に達しており、すでに多くの利用者が一度は交付、そして更新を経験しています。

マイナンバーカードの交付率3/3

マイナンバーカードの交付率

出所:総務省「マイナンバーカード交付状況について」

多くの役所の窓口は平日の8:30〜17:00(自治体により異なる)に開いていますが、一般企業にお勤めの方にとって平日の日中に行くのは難しい場合があります。

わざわざ有休休暇をとって行くのも面倒に感じる方は多いのではないでしょうか。

そんな方々にとっては、以下のような対応策もあるのでチェックしてみて下さい。

4.1 夜間・休日窓口

一部の市区町村では、平日夕方(例:17:00〜19:00)や土曜日に臨時窓口を開設しています。

例として、東京都新宿区では毎月第4日曜日の9:00〜17:00に窓口を開設(2025年10月時点)しています。(参考:新宿区)

お住まいの自治体の公式ウェブサイトで「マイナンバーカード 夜間窓口」や「休日窓口」を確認してください。

4.2 予約制の導入

一部自治体では、マイナンバー関連の手続きに予約制を導入しており、待ち時間を短縮可能です。こちらもお住まいの自治体のウェブサイトから確認してみてください。

4.3 職場の近くの役所を利用

居住地以外の自治体でも、電子証明書の更新は可能な場合があります。

例えば横浜市では、

更新の方は、横浜駅西口、センター北、上大岡、二俣川にある特設センター(平日夜間や土日・祝日も開所)でもお手続きいただけます。

という運用を実施しています。(参考:横浜市)

職場近くの役所で昼休みに手続きするのも一案です。

また、役所が開いてすぐ(8時半など~)手続きに訪れ、9時の出社に間に合わせるというのも不可能ではないかもしれません。

4.4 有給休暇やフレックス、半休を活用

どうしても平日日中しか対応していない場合、午前中の1〜2時間を有給休暇で確保するのも現実的です。手続きは短時間で済むため、負担は少ないでしょう。

一方で、更新案内を見逃したり、忙しさにかまけて後回しにしてしまい、電子証明書が失効してから慌てて役所に駆け込むケースも見られます。

実際には手続きの「煩雑さ」よりも、期限を忘れてしまうことによる不便の方がリスクが大きいといえるでしょう。

5. 【2025年最新】マイナ保険証廃止で「更新忘れ」のリスクは激増!

今後はマイナンバーカードの役割がますます拡大していくことが見込まれています。

すでに政府は2025年12月に現行の健康保険証を廃止し、(救済措置として資格確認書の代替運用あり)、マイナ保険証へ一本化する方針を決定済みです。

また、行政手続きや各種証明書のデジタル化が一層進められており、マイナンバーカードが暮らしの基盤となる流れは避けられません。

そのため、電子証明書の更新を忘れてしまうと、

  • 医療機関でのスムーズな受付ができない
  • 行政手続きのオンライン利用が制限される
  • コンビニで証明書が取れず役所に行かざるを得なくなる

といった 生活上の不便が一気に増す可能性があります。

更新案内が届いたらできるだけ早めに対応し、失効によるトラブルを避けることが大切です。

特に確定申告の時期や健康保険証利用の直前に期限切れに気づくと大きな支障が出るため、「通知が届いたら即行動」 を心がけておくと安心です。

もし、今自分のマイナンバーカードがどのような状況か(期限切れになっていないかなど)確認したい方は、以下のマイナンバーカード総合サイトから照合も可能ですのでぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

参考資料

和田 直子