4. データから見るシニアの就労状況
総務省のデータによると、2024年時点の就業率は、65歳~69歳が53.6%、70~74歳が35.1%、75歳以上が12.0%となっています。
高齢者の就業率が増加しており、厚生年金に加入して働くシニアが増えていることがわかります。これにより、在職定時改定を活用して年金額を増やす人も増加していくとわかるでしょう。
また、企業側も人手不足の中で高齢者の雇用に積極的になっており、受け入れ体制も整いつつあります。
今後も、体力や意欲に応じて「働き続ける選択肢」がより広がっていくと考えられます。
5. まとめにかえて
在職老齢年金は、働きながら受け取る年金額に影響する制度ですが、「在職定時改定」の導入により、厚生年金加入中の働き方が早く年金額に反映されるようになりました。
少しずつの増額であっても、長期的に見れば大きな違いとなります。
定年後も働き続ける人が増える中、自分の年金がどのように変わるのかを把握し、将来設計に役立てていくことが重要です。
参考資料
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
- 日本年金機構「60歳以降も引き続き勤めます。勤めていても年金は受けられますか。」
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書 第2節 高齢期の暮らしの動向」
和田 直子