2.3 一部売却も視野に入れる
「投資資産の売却」というと、全資産を一度に手放すイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし実際には、保有資産の一部だけを必要に応じて売却する方法も有効な選択肢です。
特にNISA口座を活用している場合、運用益に税金がかからず、売却手数料も無料の金融機関が多いため、「一部売却」を柔軟に行えるのが大きなメリットです。
この特性を活かした柔軟な運用方法として以下のような選択肢が考えられます。
- 目標金額に到達したら、必要な分だけ売却し、残りはそのまま運用を続ける
- 退職後の生活資金として、毎年少しずつ計画的に取り崩す
- 市場の状況を見ながら、段階的に利益を確定していく
- 積立をやめても、NISA口座内で保有を継続し、将来の値上がりを待つ
このように、一部売却を上手に使うことで、資産を「使いながら増やす」ことも可能になります。
ただし、保有を続ける資産には当然、市場変動のリスクが伴います。
今後の値上がりが期待できる一方で、下落する可能性もあることを忘れず、無理のない範囲で運用を続けていくことが大切です。
3. おわりに
人生100年時代、50歳という節目を迎え、「もう遅いのでは」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、今回のシミュレーションからも分かるように、大切なのは目標を明確にし、無理のない金額で積み立てを続けることです。利回りの予測は誰にもできませんが、コツコツと積み重ねることで、やがて大きな成果につながります。
50歳でも決して遅くはなく、これまでの経験を活かし、豊かなセカンドライフを築くためのスタートラインです。
新NISA制度を上手に活用し、将来の資産形成に向けた第一歩を踏み出してみましょう。
参考資料
斎藤 彩菜