物価高対策の給付金などで「住民税非課税世帯」というワードを耳にする機会がこれまで以上に多くなりました。住民税非課税世帯は税負担がないだけでなく、社会保険料や医療費の減免措置など、多くの優遇措置を受けられます
住民税非課税世帯はメリットばかりがクローズアップされますが、いくつか注意点も存在します。この記事では、住民税非課税世帯のメリット・注意点に加え、該当となる条件や世帯の特徴を解説します。
1. 住民税非課税世帯、どんな世帯が多い?
住民税非課税世帯になるのは、どのような人々なのでしょうか。厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」をもとに、住民税非課税世帯の年代の内訳を見てみましょう。
- 総数:1279世帯(27.4%)
- 20歳代:52世帯(32.7%)
- 30歳代:35世帯(12.0%)
- 40歳代:52世帯(10.0%)
- 50歳代:106世帯(13.6%)
- 60歳代:212世帯(21.7%)
- 70歳代:432世帯(35.9%)
- 80歳代:389世帯(52.5%)
- 65歳以上(再掲):955世帯(38.1%)
- 75歳以上(再掲):611世帯(49.1%)
調査対象世帯4674世帯のうち、住民税非課税世帯は1279世帯と約3割を占めています。
目立つのは高齢者世代の世帯数の多さです。65歳以上は約4割、75歳以上になると約半数が住民税非課税世帯です。高齢者世帯は、年金が収入源になります。65歳以上であれば、年金所得に対しては最低でも110万円の「公的年金等控除」が受けられます。所得が大きく下がるため、ほかの年代に比べて住民税が非課税となる世帯が多いのです。
一方で、20歳代の割合も大きくなっています。これは、一人暮らしの学生なども含まれていることから、数値が高くなっていると考えられます。
30歳代・40歳代・50歳代の現役世代で住民税非課税世帯になっている世帯はわずかです。住民税非課税世帯は、年代の分布が大きく偏っている状況なのです。
次章では、住民税が非課税になる条件を解説します。